LINEを使ったCRMマーケティングとは?LINEでCRMを活用する理由を解説
ECを運営されている事業者の方の中には、「もっと売上を上げたい」「リピーターを増やしたい」と考えている方も多くいらっしゃるかと思います。
ECサイトにおいてリピーターの増加や売上増加を促すには、「顧客」をしっかりと分析し、分析結果に基づいた施策を打つのが1番の近道です。この記事ではLINE公式アカウントで出来る顧客管理と効果的な施策をご紹介します。
INDEX
LINE公式アカウントでできる顧客管理
LINE公式アカウントの顧客管理機能は、ビジネス向けに役立つ機能が備わっています。LINE公式アカウントでできる顧客管理としては、以下のような機能があります。
- チャット
- メッセージ配信(友だち追加したユーザーにメッセージを送信)
- ステップ配信(設定した内容・タイミング・期間でメッセージを自動配信)
- 自動応答(ユーザーからのメッセージに対して自動応答。)
- クーポン配信(店舗で使用できるクーポンを配信)
- LINE VOOM投稿(友だち登録しているユーザーのLINE VOOMに情報を投稿)
- 自動プロフィール取得: 顧客が公式アカウントに友達追加すると、自動でプロフィール情報が取得され、データベースに蓄積。
上記の施策の中でも、最も効果の高いといわれるメッセージ配信(LINEセグメント配信)をご紹介いたします。
LINEセグメント配信とは?
メールに変わり、メインのコミュニケーションツールとなった「LINE」ですが、企業からの発信も急激に加速しています。
企業はLINE公式アカウントを作成し、LINE公式アカウントに加入したユーザーに対して、LINEのセグメント配信を行なっています。
LINEセグメント配信とは、公式アカウントに加入したユーザーの中から条件に当てはまっているユーザーだけに、メッセージを送るという仕組みです。関係がないユーザーにメッセージを配信することがないので、メルマガなどよりも高い効果を期待することができます。
そもそもCRMとは?
CRMとは、「Customer Relationship Management」を略した言葉で、日本語では「顧客管理」と言われるのが一般的です。
一般的には顧客と企業の関係性を客観的に把握し、一元的に管理して事業に有効活用する手法のことを意味します。 顧客情報であるメールアドレスや性別・年齢・嗜好などの属性を管理することで、顧客ごとに最適なアプローチを選択できるのが特徴です。
基本的にCRMには専用のツールが用いられ、業務効率化や収益の拡大といった各目的に向けて活用されます。
LINE×CRMで出来ること
LINEとCRMを組み合わせることでどのようなことが出来るのか。代表的な3つを紹介します。
メッセージ配信・キャンペーン
セグメント情報と紐づけて、そのユーザーに合わせた各種メッセージやキャンペーンの情報を配信することができます。
全てのユーザーを対象にした配信よりクリック率や開封率の向上が期待できます。また、ステップメールも活用すれば、見込み顧客を優良顧客に育成することも可能になります。
さらに特筆すべき機能として、リッチメニューがあります。 これはLINEのトーク画面を開くと画面いっぱいにコンテンツを表示することができる機能のことで、おすすめ商品の表示やキャンペーンの詳細、商品の直接注文などを顧客がダイレクトに購買行動を起こすことができるようになります。
情報収集・分析
LINE×CRMの組み合わせは、配信だけでなく情報収集・分析機能も豊富で効率的なのが特徴です。
ユーザーがLINE上でどのように動いたのか、配信メールのクリック率や開封率はいくつなのか、詳細にデータを取得しています。
そしてそのデータ結果を表示する際にも、分析しやすいようにどのように表示させるのか細かく指示できるので、どうしても時間がかかりがちな分析業務を効率化してくれます。
分析業務の効率化により高速でPDCAを回転させることにもつながりますので、自社の望む最適なマーケティング施策に到達する道のりもこれまで以上に早くなるでしょう。
自動送信・自動応答
効率化としての視点でいうと、自動送信・自動応答も大変便利な機能になります。
チャットボットを活用し、あらかじめ質問に対する回答や予想される問い合わせ対応などを設定しておくと、わざわざ人員を割く必要もなく、運営を効率的に回すことが出来ます。
最近では、クロネコヤマトがLINEを活用し再配達の受付などや集荷センター・配達ドライバーへの問い合わせをチャットボットで対応するサービスをしています。 クロネコヤマトにとっても業務が格段に効率的になりますし、ユーザーとしても日常でLINEを使っている感覚で荷物の受け取りができるといった双方にとって有益なマーケティング施策になります。
LINEをCRMに活用するメリットは?
LINE上でCRMの機能を活用する際には、多くのメリットが考えられます。 LINE×CRMの組み合わせだからこそ実現できることも多いので、CRMマーケティングを考える際にはLINEセグメントの配信を考慮することがおすすめです。
以下からは、LINEをCRMで活用する代表的メリットを解説します。
理由1|多くのユーザーをターゲットにできる
LINEをCRMに活用することは、多くのユーザーをマーケティングのターゲットにすることにつながります。
LINEは日本トップクラスに利用されているチャットツールです。月間利用者数は2021年時点で8,600万人、国内の月間アクティブ率は85%と非常に高く、多くのユーザーが日々LINEを活用していることが分かります。
既に日常のインフラに近いポジションにあるLINEをCRMに活用することで、多くのユーザーと接点を持てる重要なチャネルとして機能するでしょう。
理由2|UX(顧客体験)を向上させる
LINEを軸にCRMを展開することで、UX(顧客体験)を向上させられる点もメリットになっています。
LINEとCRMを組み合わせることで、例えばLINEのメッセージから直接自社のECサイトに誘導したり、値下げや入荷情報をポップアップで通知したり、カスタマーサポートへの簡単な連絡を促せたりといったことが可能です。
Webサイトや専用アプリを通すよりも、顧客から気軽に問い合わせを受けたりアプローチができたりするため、より快適なUXが実現します。
LINE×CRMを活用するためには
LINE×CRMを実際に活用するためには、LINEセグメント配信に特化した環境を整備することがポイントです。
LINEセグメントをスムーズに利用できるCRMツールの導入や、スタッフにLINEセグメントの魅力やメリットを理解してもらうことが活用の第一歩となるでしょう。 また、CRMに活用するにあたって、LINE側の機能をよく知ることも重要です。
LINEはただのチャットツールに留まらず、企業向けのさまざまな機能・サービスを展開しています。 LINEでどのような機能を活用できるのか、どんな機能が自社にとって恩恵が大きいのかを把握して、CRMに役立てていくことも考えていきましょう。
LINEを活用するからできること
LINEをCRMに活用することは、顧客との気軽なコミュニケーションの実現につながります。
メールや電話によるコミュニケーションには高いハードルがありますが、日常的な連絡手段として浸透しているLINEは、企業と顧客という間柄でも気軽な交流が図れるのが魅力です。
また、「LINEプロモーションスタンプ」など専用のスタンプをユーザーに提供できるプランがあり、上手に活用することでLINEスタンプを活用した自社アピールを行えます。
例えばアンケートへの回答やIDの連携を条件としてスタンプをダウンロードできる「スポンサードミッションスタンプ」などは、CRMと相性が良く利用しやすいです。 LINEだからこそできることをチェックして、CRMに活かしていくことを計画してみましょう。
LINE顧客管理システムのタイプ
LINE顧客管理システムは、「LINEでの顧客管理に特化しているタイプ」と、「汎用的なCRMシステムのなかにLINE対応機能が搭載されているタイプ」の2つに分類できます。
また、LINEの顧客管理に特化しているタイプは、カスタマーサクセスなどの伴走支援を受けられるタイプと、自社運用が前提となるシステムに細分化できます。
特化型+伴走支援型
LINEの顧客管理情報の活用には、メッセージや画像などクリエイティブの作成をはじめ、顧客の行動分析やセグメントに応じたコンテンツの配信など、色々な手間がかかるうえ、成果を高めるためのノウハウも必要になります。自社で運用の担当者をアサインすることが難しい場合や、短期間で成果を出したい場合、仮説に基づいた施策実行や効果分析などのノウハウを得る為にも、カスタマーサクセスの支援を受けて進める方が得策といえます。
特化型+自社運用型
すでに自社内でLINEアカウントの運用体制が構築されており、分析や仮説検証まで自社内で進めていける場合は、こちらの特化型+自社運用型が適しているといえます。
伴走支援型と比較すると、サポート費用が抑えられる分だけ安価に利用できる点でメリットがあるといえます。
特に、顧客分析やコンテンツ最適化を支援するサービスをチェックすることで、「購入確度の高い顧客層」や「開封率の高い時間帯」などの把握し、分析データをもとに、顧客属性に合わせたコンテンツの自動配信などが効果的です。
また、まだ友だち登録されていないユーザーへのメッセージ送信が可能なサービスもあり、配送通知や予約通知などのメッセージ配信で、ユーザビリティの向上と友だち獲得を同時に実現することが可能です。
汎用CRM搭載型
汎用的なCRMシステムのなかで、LINE配信機能などを持つものを指します。
たとえば、ECサイトやBtoCサービス向けのCRMで、マーケティングオートメーション機能も持ち、CRMに蓄積した顧客に対して、LINEを使って配信ができるサービスや、顧客からの問い合わせ・やりとりをLINEでできるようにしているものなどがあります。
その他のタイプ
その他のタイプとして代表的なのが、デジタル会員証としてLINEアカウントを利用するツールです。
単なる顧客管理だけでなく、スタンプカード機能や会員ランク機能などを通じた、実店舗の新規顧客やリピーター獲得が期待できます。
クーポン発行やプッシュ通知などマーケティング施策ができるツールのなかには、高度な分析機能が搭載されている場合もあり、顧客属性やクーポン使用率などがLINE上のデータから取得できるため、専門的な知識やツールを使わずとも実店舗の集客戦略に活用できるのが強みといえます。
LINEセグメント配信の効果とは?
メール配信・同梱物やDM・コールセンターなどの施策を10年以上試行錯誤された大手通販事業者さまでの事例ですが、LINEセグメント配信を実施した結果、リピート率が1.2倍以上改善いたしました。
各種CRM施策を10年以上ABテストし続けた企業様のリピート率がここまで改善する施策は他にないと言っても過言ではありません。また、特別なコンテンツをリソースを割いて作成したわけではなく、シンプルにリピート誘導したい商品への誘導や、簡単なアンケートを実施した結果となります。
上記のように、LINEセグメント配信は高い効果を期待することが出来ます。これをCRMツールと組み合わせることでより高い効果を期待することが可能です。
LINEを活用したCRM施策の成功事例
LINEを活用したCRMは既に多くの企業で実現されていて、さまざまな成果をあげています。 各事例を参考にすることで、LINEを使ったCRMの利用が具体的にイメージしやすくなるでしょう。 以下では、LINEを活用した実際のCRM施策を紹介します。
成功事例1|LINEからの簡単注文が可能に
宅配寿司の銀のさらを運営する「株式会社ライドオンエクスプレス」は、LINEから簡単に注文が行えるCRM施策を行っています。
銀のさらのLINE公式アカウントに友だち申請とID連携を行うことで、LINEアカウント情報からスムーズにログインできるので、届け先住所などの情報を入力する手間を省くことが可能です。 LINEに対して注文完了のメッセージも通知されるので、安心して商品の到着を待つことができます。
その他、ユーザーの最寄り店舗に合わせて、送信するメッセージの種類を変えたりクーポンを追加したりといったことも可能です。 ユーザー個々の環境を考慮したCRMマーケティングを行ったことで、ユーザー体験の向上を実現した事例となっています。
成功事例2|ユーザーごとにお得な情報を提供
「株式会社NTTぷらら」は、LINEのIDを連携しているユーザーに向けて、お得な商品情報をお知らせするCRM施策を行いました。例えば人気商品の値引き情報や、ユーザーのほしいものリストに登録されている商品の再入荷情報、ポイント残高・有効期限の通知などを行い、ユーザーの購入意欲をLINEを通じて刺激する手法を取り入れています。
株式会社NTTぷららでは、蓄積した顧客データを参考に工夫したメッセージを送付して、顧客エンゲージメントを高める施策を行っている点も特徴です。 顧客一人一人にマッチしたアプローチを行うことで、その人ならではの便利さを提供しています。
メッセージを顧客の属性や意識に合わせて細かく設定して送付できる点も、LINEとCRMの組み合わせ事例として参考にできるでしょう。
成功事例3|リピーターの顧客体験を向上
日本全国でビジネスホテルを展開している「リッチモンドホテル」は、LINEを活用したCRM施策を取り入れ、公式アカウントを経由した宿泊予約サービスを実施しています。
LINEの公式アカウントに友だち申請を行って利用するホテルの場所や部屋のタイプを記録しておけば、次回以降スムーズに宿泊予約が行えるのが特徴です。 簡単予約システムはLINEらしいシンプルさで作られていて、チェックイン日とチェックアウト日を選択して「予約する」を押すだけで、ホテルの宿泊予約が完了します。
こちらのCRM施策はリピーター専用のチャットボットシステムとなっていて、一度リッチモンドホテルを利用したユーザーをターゲットにしているのが特徴です。 ホテル予約に手間を感じているユーザーに向けたシステムであるため、リピーター獲得につながる事例として参考にできるでしょう。
効果が高いのに実施している事業者が少ない!?その理由を徹底解明
そこまで効果の高い施策にも関わらず、実は実施している企業が少ないのも実態です。
理由はシンプルで、
「やりたいのに、できない!」という理由が大半を占めます。
出来ない理由は大きく下記2点です。
①購買データや顧客情報と連動して、LINE配信をするシステムの準備が無い
特に大手EC事業者様に多く見受けられる事例です。LINEセグメント配信用に自社でシステム開発を行うと莫大な費用とリソースが掛かります。
また、他社のツールに乗り換えたくても、膨大なデータを他のシステムに乗り換えたり他のシステムとの連携を一から組みなおすことができないなどシステム絡みの課題で実施できない企業様が多く見受けられます。
②顧客情報にLINEユーザーIDを連携することができない
LINEセグメント配信を行うためには、どのお客様がどのIDなのかをデータ上で連携する必要があります。
カートシステム等であれば、カート上の顧客IDを保持した状態でLINEの友達登録をしていただく必要があります。上記がハードルとなり、うまくLINEユーザーIDと顧客を紐づけることができなくなり実施できていないのが現状です。
ID連携を実現する方法
ID連携を高める方法は、以下の2通りの方法があります。
1.LINEに友だち追加後、トーク画面からID連携を促す
2.自社のWebサイトへのログインの手段としてLINEログインを導入し、会員登録の中でID情報を取得する
ID連携を高めるには、最初の入口が肝になります。 新規会員登録やサイトログイン時にLINEログインの方法を準備し、かつトーク画面ではリッチメニューなどを活用、配信メールなどでID連携を促すプロモーションを仕掛ける必要があります。
ID連携率を高めるプロモーション施策
では具体的にID連携率を高める方法にはどのような施策があるのでしょうか。2つの施策を紹介します。
ID連携用の導線を引く
ECサイトやWebサイト、LINEアプリ双方ともにID連携用の導線を準備することです。
各ユーザーごとに状況は違います。Webサイトには訪問したが友だち追加していない、友だち追加したけどWebサイトには訪問していない、などユーザーの行動によって違いがあります。
それらユーザーの行動を取りこぼさないためにも双方に導線を準備し、ID連携のための入り口を広く保つ事を意識するようにしましょう。
ID連携を促すキャンペーン
ID連携を促すキャンペーンでは、LINEアプリ上とWebサイト上にキャンペーン告知を打ちます。
ECサイトなどでは、商品のモニターをプレゼントしたり、クーポンの配布、ポイントの還元が主なキャンペーン内容になるでしょう。またサービス系の会社では、自社のサービスを1ヶ月無料で使用できたり、セミナーへの参加費を無料にするなどの施策があります。
ここで大事なのが、ユーザーにとってのメリットは何かという目線になります。そして目的はID連携率の向上になります。ユーザーへの投資だと割り切って長期的な目線でキャンペーン施策を検討する事をおすすめします。
LINEとCRMツールで高い効果を狙おう
多くの事業者が効果を見込めるのに、足踏みをしている状況です。これから、ECを立ち上げを予定している企業様・CRMを実施しようと思われている企業様はチャンスです。
まずは、LINEセグメント配信が実施できる環境を準備することができれば、後発参入でも他の通販企業様よりも高いリピート率を確保した状態で、EC通販事業をスタートできます。
弊社うちでのこづちでは、EC通販のLINEセグメント配信に最も特化したツールです。550社以上のEC通販事業者さまのステップメールの施策の知見から、ツールの開発を行ってきたからです。
弊社では、LINEセグメント配信の事例を数多く持った専任担当が貴社の商品やビジネスモデルを考慮し最適なプランニングの元、LINEセグメント配信をサポートいたします。
これを機に一度うちでのこづちを試してみてはいかがでしょうか。
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