効果的なカゴ落ちメールとは?配信のポイントや例文を紹介!
カゴ落ちメールはECサイトの売上向上に貢献する代表的な施策として有名ですが、ポイントを押さえなければユーザーに不信感や不快感を抱かせてしまう可能性もあります。
ECサイトの運営を始めたばかりという方の中には「カゴ落ちメールでCVRを上げるにはどうしたらいいの?」「どんなことを書けばいいのか分からない」「そもそも効果はあるの?」と考えている方もいらっしゃるでしょう。
今回は、カゴ落ちメールの効果を高める方法をご紹介します。メールの中身はもちろん、厳守すべきルールや運用開始後の注意点までお伝えしていくので、施策の大枠をつかめるはずです。
ぜひ今後の運用の参考にしていただき、自社に合った効果的なカゴ落ちメールを追及するきっかけにしていただけましたら幸いです。
カゴ落ちとは
カゴ落ちとは、ECサイトを訪問したユーザーが、一度カートに商品を入れたにもかかわらず、何らかの原因で購入まで進まない現象を指します。
「カート放棄」「カート落ち」とも呼ばれており、ECサイト運営者が必ずぶつかる障壁です。
カゴ落ち率の平均値はおよそ7割といわれており、大きな損失が発生していることが分かります。
あと少しで買ってもらえそうな状況にあるにもかかわらず、何も対策を講じずにそのままにしておくのはもったいないと思いませんか?
まずは自社のカゴ落ち状況を確認し、どのくらいの損失が出ているのか把握しましょう。
この数値を下げることで売上の向上が見込めます。
カゴ落ち対策にはカゴ落ちメールが有効!
カゴ落ちメールは多くのEC サイト運営者が実施する施策ですが、そもそもどのようなものなのでしょうか?
ここからは概要をお伝えしますね。
カゴ落ちメールの仕組み
まずはカゴ落ちが発生してからメールを配信するまでの簡単な流れを見ていきましょう。
- カゴ落ちの発生を認知する
- カゴ落ちをしたユーザーを認知する
- カゴ落ちメールの内容を設定する
- メールを配信する
この一連の流れをツールを使って手動か自動で行うことになりますが、すべて手動で行うとなると膨大な工数がかかります。
これからカゴ落ちメールを始めようと考えている方は、可能であれば自動配信ができるツールを検討した方がいいです。
ECサイト運営はやるべきことが多いため「必要以上にカゴ落ちメールにコストをかけてしまった……」という事態に陥らないよう気をつけましょう。
メリット
カゴ落ちメールには以下3つのメリットがあります。
- 開封率の向上
- クリック率の向上
- コンバージョン率の向上
カゴ落ちメールは、カゴ落ちの発生から比較的早い段階でユーザーに接触するため、ユーザーは「最近見たECサイトからだ!」と気づきやすいです。
「なんだろう……」と不審に思われることも少ないため、高い開封率が期待できるでしょう。
また、ユーザーの興味・関心に合わせた情報を適切なタイミングで発信すれば、メールに貼りつけているサイトURLをクリックしてくれる可能性も高いです。
セール情報などお得なコンテンツを盛り込むと、コンバージョン率の向上も期待できますよ。
通常のメルマガ配信と比べて高い反応率が見込めるほか、売上にもつながります。
デメリット
ここまで、カゴ落ちメールの有効性をお伝えしてきましたが、メール配信のやり方によってはユーザーに嫌がられてしまうこともあります。
以下3つの要素に気をつけてください。
- タイミング
- 回数
- 文章
カゴ落ちメールがすぐに送られてきたり、何度も送られてきたりすると嫌な気持ちになるかもしれません。
もちろんメールの中身も重要なので、設定するときはユーザーの買い物をサポートする意識を持ちましょう。
以下で、ユーザーに不信感や不快感を与えないようにするための具体的な方法をお伝えしていきます。
カゴ落ちメールの効果を高めるポイントは?
ここからは、カゴ落ちメールで気をつけるポイントを4つ紹介します。
ぜひ今後の運用の参考にしてみてください。
タイミング
カゴ落ちメールを送るタイミングは重要です。
基本的には以下のタイミングで送るといいでしょう。
- 1〜3時間後
- 24時間後
- 7日後
1通目は他社との比較検討を終えたであろうタイミングを狙っています。一旦パソコンの前から離れているかもしれません。
2通目はカゴ落ちした次の日にインターネットを使うであろうタイミングです。
3通目はカゴ落ち商品を買おうという気持ちが低下しているタイミングを想定しています。
特に1〜2通目は、ユーザーの比較検討の時間に左右されます。商品の価格によって異なるため、自社の商品に最適な配信タイミングを見つけることが大切です。
回数
カゴ落ちメールは1事例につき3〜4通がベストだといわれています。先述した配信のタイミングを参考に、3〜4通で効果的なアプローチができるようにしましょう。
5通以上になるとユーザーに不快感を与えてしまう可能性が高いので注意してください。
商品が1つカゴ落ちになった後に、他の商品を購入しているユーザーに対してはどうでしょう?
人によっては「商品を買ったらターゲットにされた」と感じるかもしれません。そういう場合は、そもそもカゴ落ちメールを送らないようにするのが無難です。
また、カゴ落ちメールはすべて同じ内容を送るわけではありません。詳しい内容は後述しますね。
クーポンなどの特典
他社の商品と比較している最中のユーザーや購入意欲が低下しているユーザーを動かすのは特典です。
例えば、以下のような特典をカゴ落ちメールに盛り込むといいですよ。
- 期間限定のクーポン
- 会員限定のセール情報
- そのほか、ユーザーが求めるコンテンツ
限定性をアピールするのもいいですね。
自分だけの特典であることや今購入すればお得に買い物ができることを感じていただければ、コンバージョン率の向上が期待できます。
HTMLメールを使う
メールにはテキストメールとHTMLメールがありますが、カゴ落ちメールにはHTMLメールが適しています。
なぜなら、画像が使用できるからです。テキストメールではテキストや文字装飾、記号しか使えません。
カゴ落ちメールに画像を使用すると、ユーザーにカゴ落ちした商品をすぐに思い出してもらえます。
とはいえ、画像だけのメールもNGです。基本的にテキストと画像の割合は7:3ぐらいがいいといわれています。
テキストと画像をうまく組み合わせて見た目にもこだわりましょう。
カゴ落ちメールの構成
カゴ落ちメールは以下3つの要素で構成されています。
- 件名
- 本文
- フッター
それぞれの詳細を見ていきましょう。
件名
まずはメールを開封してもらわなければ何も始まりません。
件名は開封率に大きく影響します。身に覚えのないメールだと判断されれば開封すらされないでしょう。
件名にはサイト名とメールの内容を記載します。 サイト名を【】で囲うと「あのサイトからのお知らせか!」と気づいてもらいやすいです。
注意点としては、会社名は入れなくていいですよ。
なぜなら、スマホのメールは上部に会社名が記載されるので二重表示になってしまうからです。余計な文字は入れないようにします。
ひと目見てメールの内容が分かる件名をつけられるといいですね。複数回送信する場合はその都度件名を変えましょう。
本文
本文は、基本的に以下のような流れで構成されています。
- お客さまの名前
- お礼の言葉
- 買い物をサポートするメッセージ
- お得な情報
- カゴ落ち・おすすめ商品の情報
先述したように、複数回送る場合は毎回内容を変えます。
カゴ落ち商品やおすすめ商品の情報をお伝えする場合は、商品名・画像・価格・URLを忘れずに記載してください。
商品を検討していたのを忘れている方もいらっしゃるため、商品の詳細と画像を見せてカゴ落ち商品を思い出してもらいましょう。
ユーザーがお得にお買い物ができるコンテンツを盛り込めば、売上につながりやすくなります。セールやポイントの情報を提供できるといいですね。
フッター
メールの下部に表示するフッターでECサイトの運営者の情報を明らかにします。
最初にテンプレートを設定しておくといいですね。
例えば、以下の項目を記載するといいでしょう。
- 会社名
- 住所
- 電話番号
- 営業時間
- メールアドレス
- 公式ホームページのURL
- 配信停止の文言・URL
自社の情報を明確にしてユーザーに安心感を持ってもらいましょう。
特に最後の配信停止の部分は、特定電子メール法に関わってきます。詳しくは後述しますね。
カゴ落ちメールの例文
ここまでで解説してきたカゴ落ちメールのポイントを踏まえ、例文をご紹介します。
全部で3回送ると想定しました。回数毎のメールの内容は以下のとおりです。
- EC利用を感謝するメール
- カゴ落ちをお知らせするメール
- 買い物をサポートするメール
以下を参考により効果的なカゴ落ちメールを作成してみてください。
EC利用を感謝するメール
1回目では、ECサイトを訪問してくれたことに対するお礼メッセージを送ります。
以下、例文です。
〜件名
【サイト名】いつもご利用いただきありがとうございます。
〜本文
〇〇様
いつもご利用いただきありがとうございます。
購入につきましてご不明な点はございませんか?
お困りの際は、こちらの「よくある質問」をご覧ください!
◆会員限定クーポン
◆カゴ落ち商品
- 商品画像
- 商品名
- 値段
- リンク
〜フッター
- 会社名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 公式ホームページのURL
- 配信停止の文言・URL
カゴ落ちをお知らせするメール
2回目では、カゴ落ちしていることを直接お伝えします。
以下、例文です。
〜件名
【サイト名】カートの中にお買い忘れの商品はありませんか?
〜本文
〇〇様
いつもご利用いただきありがとうございます。
カートに商品が入ったままになっておりますがお買い忘れはございませんか?
ご不明な点がございましたら「お問合せフォーム」よりお気軽にお尋ねください。
◆会員限定クーポン
◆カゴ落ち商品
- 商品画像
- 商品名
- 値段
- リンク
〜フッター
- 会社名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 公式ホームページのURL
- 配信停止の文言・URL
買い物をサポートするメール
3回目では、 お買い物をサポートするメッセージを送ります。
すでに購入意欲は低下しているため、カゴ落ち商品については触れなくてもいいでしょう。
以下、例文です。
〜件名
【サイト名】お探しの商品はありましたか?
〜本文
〇〇様
いつもご利用いただきありがとうございます。
お探しの商品はありましたか?
【サイト名】では〇〇様におすすめの商品を多数取りそろえております。
◆おすすめ商品
- 商品画像
- 商品名
- 値段
- リンク
売り切れる前にぜひご検討ください!
◆会員限定クーポン
〜フッター
- 会社名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 公式ホームページのURL
- 配信停止の文言・URL
カゴ落ちメールの注意点
最後にカゴ落ちメールの注意点を2つお伝えします。
特定電子メール法を守ろう
特定電子メール法とは、迷惑メールを規制し、良好なインターネット環境を保つための法律です。2002年に施行されました。
適用対象となるのは以下2つです。
- 広告・宣伝を目的とするメール
- サイトへの誘導を目的とするメール
つまり、今回紹介した内容のカゴ落ちメールも対象となります。
送信者側は、オプトイン(受信者側の事前の同意)の取得・記録保存やオプトアウト(配信停止)の設定、送信者の表示義務などユーザーが安心してメール配信を利用できるよう気をつけなければいけません。
違反してしまうと最悪の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科されてしまいます。
必ず順守するようにしましょう。
ABテストで検証しよう
カゴ落ちメールの配信を開始したら、ぜひ随時ABテストを行なってください。
ABテストとは、AとBの2パターンでどちらの方がより高い成果を出すのか検証する手法です。
どの要素が成果に関係するのか把握するために、1箇所ずつテストを行います。
カゴ落ちメールには、以下のような要素があります。
- おすすめ商品の掲載数
- おすすめ商品の価格
- (カゴ落ち・おすすめ)商品説明の有無
ECサイトによって効果的なカゴ落ちメールは異なるため、随時ABテストを行い、より成果を出せるカゴ落ちメールを追求していきましょう。
カゴ落ちメールの1つの要素がCVRを大きく向上させるかもしれません。
まとめ
カゴ落ちメールはカゴ落ち率を下げる対策として有効で、通常のメルマガと比べて、開封率・クリック率・コンバージョン率の向上が期待できます。
ただし、配信のやり方によってはユーザーに不信感や不快感を与えてしまうため注意が必要です。
ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にカゴ落ちメールを運用してみてください。
運用開始後も、より成果が出せるカゴ落ちメールを追求し、ECサイトの売上を伸ばしていきましょう。
最新のEC・CRM事例やノウハウ、事業者対談セミナー・記事などマーケティングに役立つ情報をお届けします。