【新機能】LINE公式アカウントのステップ配信とは?機能や設定方法を解説
近年、マーケティングやプロモーションのためにLINEを活用している企業や店舗が多くなっています。LINEの一斉配信などにより、キャンペーンの告知などを多額の宣伝広告費をかけずに行うことができるのでとても便利なのではないでしょうか。
LINEを活用することで、これからさらに売上を伸ばしたいとお考えの方を対象にLINE配信の新機能である「ステップ配信」がLINE公式アカウントから2021年2月にリリースされました。
本記事では、このステップ配信についてご紹介すると共に、その機能やメリット、使用する際の注意点などについても解説します。本記事を参考にして、マーケティングやプロモーションでのLINE公式アカウント活用法を学んでみて下さい。
INDEX
- 1 ステップ配信ってなに?
- 2 LINE公式アカウントを使用したステップ配信とは
- 3 LINE公式アカウントでステップ配信をするための設定
- 4 LINE公式アカウントのステップ配信ができること
- 5 LINE公式アカウントのステップ配信を利用するメリット
- 6 LINE公式アカウントにおけるステップ配信の料金とメッセージ数とは
- 7 LINE公式カウントにおけるステップ配信の時間とは
- 8 LINE公式アカウントでステップ配信を効果的に行うコツ
- 9 ステップ配信の注意点
- 10 LINE公式アカウントでステップ配信をする3つの方法
- 11 LINE公式アカウントでステップ配信が配信されない理由と対策
- 12 ステップ配信が使用可能な外部ツールを選ぶ際のポイントを解説
- 13 LINE公式アカウントのステップ配信を活用した事例
- 14 まとめ
ステップ配信ってなに?
ステップ配信とはLINE公式アカウントを追加したユーザーに対して、ユーザーの行動をきっかけにして、あらかじめ用意しておいたメッセージを特定のタイミングで配信する機能です。
会員登録や購入などの設定した条件に当たる行動をしたユーザーに対して、あらかじめ準備しておいたメールをスケジュールに沿って配信するステップメールが、メールを用いたマーケティング手法の1つとして活用されています。
ステップ配信では友だち追加した経路や追加してからの日数、ユーザーの属性情報に応じたメッセージを適切に配信する設定をしておくことができます。
このようなユーザーの行動をきっかけにして、設定した条件に基づいて状況に応じた適切なコンテンツが配信される機能であるステップ配信をLINE公式アカウントでも使えるようになったということです。
LINE公式アカウントを使用したステップ配信とは
ステップ配信とはLINE公式アカウントにおける機能で、設定したタイミングに合わせてあらかじめ用意しておいたメッセージを自動配信する仕組みのことです。
各ユーザーの状況に応じて段階的にメッセージを送ることができるため、効率よく自社のサービスや商品について理解してもらうことができます。そのため、見込み顧客の育成に効果的であると共にLTVの向上を図ることが可能です。
ステップ配信を使用した場合の流れは以下のようになります。
- 友だちの追加をきっかけに、あいさつメッセージがユーザーに送信される。
- 設定されているタイミングで段階的にメッセージが配信される。
- 商品に関するお知らせのメッセージを配信。次にクーポンを配信。さらにアンケートを配信。
このように、友だちの追加を発端にして設定されているタイミングでユーザーに合わせて段階的にメッセージが配信されるため、運用の負担を増やすことなくマーケティングやプロモーションの活動に取り組むことが可能になります。
ステップ配信における「条件分岐」とは
「条件分岐」とは、LINE公式アカウントにおけるステップ配信で、ステップを追加したときに設定できる条件のことです。
条件は、性別・年齢・OS・エリア を入力する属性かオーディエンスから選ぶことができ、たとえば、関東在住の20〜30代の男性でiOSの友達という設定ができます。
「Aの条件」「Bの条件」「それ以外の人」など複数の条件を設定できるだけでなく、配信内容も変えられるため、顧客に合った情報発信が可能です。
ステップ配信における「オーディエンス」とは
ステップ配信における「オーディエンス」とは、メッセージを送る相手の条件を細かく設定できる機能です。
LINE公式アカウントのステップ配信では、一斉配信と属性ごとの配信が選べますが、オーディエンスを活用することで「メッセージを開封した人」「店舗に設置したQRコードから友達追加した人」などユーザーの行動による配信ができます。
選べるオーディエンスの種類は、以下の9つです。
- メッセージクリック
- メッセージインプレッション
- リッチメニュークリック
- リッチメニューインプレッション
- チャットタグオーディエンス
- 友だち追加経路オーディエンス
- ウェブトラフィックオーディエンス
- ユーザーIDアップロード
- 予約オーディエンス
9つを状況に応じて使い分けることで、開封率をアップさせたり情報を知らない人にだけメッセージを送れるなど、目的に応じた配信が可能です。
LINE公式アカウントでステップ配信をするための設定
次にLINE公式アカウントでステップ配信を開始するための設定手順について解説します。設定は以下の7つのステップで行います。
- ホーム画面のステップ配信をクリック
- 基本設定を入力
- 開始条件を設定する
- ステップを追加から「メッセージを配信」を選択
- ステップを任意の数だけ追加
- ステップを追加から「条件分岐を追加」を選択する
- 設定完了
それぞれのステップについて詳しく解説します。(※ステップ配信の設定はスマホアプリではできません)
1.ホーム画面のステップ配信をクリック
LINE公式アカウントのホーム画面にある、「ステップ配信」をクリックします。そうすると画面右にステップ配信の画面が表示されるため、「ステップ配信を作成」ボタンを押して次に進みます。
2.基本設定を入力
ステップ配信の作成を開始すると、上記のような基本設定の画面が表示されます。管理画面上でのタイトル、タイムゾーン、有効期間、配信数の上限の4つの項目が表示されるため、自信の配信に合わせて設定していきましょう。
配信数の上限においては、「先着◯名にだけ配信をしたい」など、友だち数を限定してステップ配信を利用したいときに利用できます。
3.開始条件を設定する
基本設定が完了したら、ステップ配信の開始条件を設定していきます。開始条件の種類は友だち追加とオーディエンスの2つです。
友だち追加を選択した場合は、すべての経路と特定の経路を選択でき、特定の経路では検索や友だち追加アイコン、外部流入など様々な項目を選ぶことが可能です。
オーディエンスについては、こちらの見出しでも詳しく解説しているので、ぜひ参考にして下さい。
4.ステップを追加から「メッセージを配信」を選択
次に「ステップを追加」→「メッセージを配信」の順にボタンをクリックしていきます。そうすると上記画像のように、1日後とメッセージ配信の欄が追加されます。「1日後」のボタンを押すと、日数を変更することも可能です。
また、「メッセージ配信」を押すと、メッセージ編集の画面が右に表示されます。メッセージ編集画面では、メッセージラベル、配信時間帯、配信コンテンツ作成箇所が表示されます。
配信文を作成する場合は、最大500文字の文章を3つ設定することが可能です。
5.ステップを任意の数だけ追加
メッセージ配信は複数設定することが可能です。フローチャートの矢印部分にカーソルを合わせるとプラスボタンが表示されるため、クリックしてメッセージ、または条件分岐を追加をクリックします。
ただし、メッセージ配信は1ルート10個までの設定となるため注意が必要です。
6.ステップを追加から「条件分岐を追加」を選択する
「メッセージを配信」ではなく「条件分岐を追加」ボタンをクリックした場合は、上記のような画面が表示されます。条件分岐での設定は、条件ラベル、属性、オーディエンスの3つです。
属性においては、「性別・年齢・OS・地域」の4つの項目から選択できます。条件ラベルはユーザーには表示されないため、自身がわかりやすい名前をつければ問題ありません。
条件分岐をすると、ルートごとにメッセージの配信の設定が可能になるだけでなく、さらに条件を追加することもできます。うまく条件を利用することで、ユーザーのニーズに合わせたアプローチが可能となるでしょう。
2022年2月9日からオーディエンスが利用可能に
ステップ配信の機能が追加された当初は実装されていませんでしたが、2022年2月9日にオーディエンスによる条件分岐が利用可能となりました。ステップ配信の開始条件としても利用することが可能です。
オーディエンスはホーム画面のデータ管理から設定することができ、メッセージの配信対象を絞り込むための機能です。
クリックリターゲティングやインプレッションリターゲティング、友だち追加経路オーディエンスなど、様々なタイプが用意されており、あらかじめデータを用意しておくことで利用が可能となります。
7.設定完了
条件分岐はメッセージ配信の設定が完了したら、画面下に表示されている利用開始のボタンをクリックします。以上でステップ配信の設定が完了となり、順次配信が行われます。
利用開始のボタンをクリックすると以下画面の遷移されるため、ステータスが利用中になっているか確認しておくのがおすすめです。
LINE公式アカウントのステップ配信ができること
ここまでLINE公式アカウントのステップ配信について解説しましたが「ステップ配信とステップメールの違いが良く分からない」、「機能としては同じではないのか?」などの疑問を持たれた方もおられるかもしれません。
たしかに、ステップ配信とステップメールはどちらも、あらかじめ設定されたタイミングで決められたメッセージをユーザーに自動で配信するという点については大きな違いはありません。
しかし、ステップメールと比較した場合にLINE公式アカウントのステップ配信の方が優れているポイントが6つあります。ここでは、そのポイントについて説明します。
①開封率・返信率の向上が期待できる
LINE公式アカウントのステップ配信はステップメールと比較して、配信したメッセージの開封率・返信率が高い傾向があります。その理由として、LINEが多くの人々に日常的に利用されているメッセージングアプリであることに加えて、ステップ配信を利用することで、連続的なメッセージの送信が可能となります。これにより、ユーザーは直近のコミュニケーションや情報を覚えており、興味を引きやすくなります。開封率が向上しやすくなります。
また、メッセージが届いた時にプッシュ通知も来るため、メッセージを見てもらえる可能性も高い点も1つの理由です。LINE独自のスタンプなどを用いることでデザイン性の高いメッセージを発信することができることも強みといえるでしょう。
配信したメッセージの開封率・返信率を高めることができれば、ユーザーを自社のWebサイトへ誘導できる可能性が高まります。商品やサービスに関するお知らせやクーポンなどをステップ配信をすれば、売上の向上につなげることができるということです。
②やり取りの確認がしやすく配信業務が効率化できる
ステップ配信では情報を段階的に提供できます。各ステップでは特定のトピックや目的に焦点を当てることができ、ユーザーが迷わずに情報を受け取りやすくなります。この焦点化が開封率の向上に寄与します。
また、配信したメッセージに対するユーザーの反応を見て改善していくことが可能です。タイミングに合わせて段階的にメッセージを配信していく際に、どのメッセージが反応が良かったのかだけではなく、ユーザーごとにどのようなメッセージに興味関心を示すのかなどを確認できるでしょう。
このような特徴により、マーケティングやプロモーションを効率的に実施することが可能といえます。
③LTV(顧客生涯価値)を最大化できる
LTVとは、Life Time Valueの略で日本語に訳すと顧客生涯価値になります。 顧客が取引を始めてから終わるまでの間に、企業に与える収益の総額を算出する指標です。 定期的にメッセージを配信することにより、リピート客の獲得につながります。
例えば、商品を購入した顧客に対してフォローメッセージを送れば、顧客の満足度は上がり関係構築ができます。 ステップ配信では各ステップで特定のアクションを促すことで、リンクをクリックして詳細を確認する、アプリをダウンロードするなどで再来店および再購入の行動を促進でき、結果として、リピーター獲得やLTV向上につながります。
④顧客の育成ができる
ステップ配信を通じてユーザーとの双方向の対話を促進できます。ユーザーが返信や質問をしやすい状況を作り出すことができ、時間をかけて関係を構築することで購買意欲を段々と高め、見込み客を購入客へと育成可能です。
時間をかけてアプローチを行うので、不信感を与えにくいのも大きなメリットです。 少しずつ警戒感をなくしていき、親交のある営業マンのような親しみをLINE上で実現し、購入へのハードルを下げられます。 ステップ配信を活用すれば、商品やサービスの情報や魅力をプロセスに沿って伝えることができるため、少しずつ興味関心や購買意欲を高めていくことができます。
⑤クーポンや画像を配信できる
ステップ配信では、通常のメッセージ配信はもちろん、クーポンやリッチメッセージなどの画像コンテンツも配信可能です。 特にリッチメッセージは、画像やクーポンを組み合わせて配信できるので、視覚効果が高く、インパクトもあるので、一層効果的にユーザーに情報を届けられます。
画像コンテンツの配信は、今までのメルマガとは異なり、視覚情報に訴求できるので顧客の興味を惹きやすいです。 そして、クーポンの利用促進や自社サイトへの誘導が可能なので、実際の来店および商品の購入につながる確率がアップします。
⑥顧客との関係構築や購買意欲を高めることができる
ステップ配信で商品やサービスに関連するメッセージを繰り返し送ることで、顧客の来店や商品の購入を促すことができます。
複数のステップを利用することで、深い情報提供が可能です。ユーザーが最初のメッセージを開封してから、追加の情報を提供することで、興味を維持しやすくなります。追加情報が提供されることで返信率も向上する可能性があります。
また、ステップ配信経由で商品を購入した顧客に対して、購入された商品の状況についてや関連する商品のお知らせなどのメッセージをタイミングよく配信することで、フォローアップすると共にプロモーションも行うことができます。
これらの施策により顧客1人当たりのLTVを向上させることが可能です。
LINE公式アカウントのステップ配信を利用するメリット
LINEのステップ配信の概要について解説してきました。実際にLINEのステップ配信には次のようなメリットがあります。
- 開封率と返信率が高い
- 顧客と良好な関係を築きやすい
- 自動配信が可能
LINE公式アカウントのステップ配信を効果的に使うためにもメリットをしっかり理解しておきましょう。
開封率と返信率が高い
ステップ配信によりメッセージ送信を自動化しても、内容を見てもらえなければ意味がありません。しかし、LINE公式アカウントのステップ配信は、以下の観点から開封率と返信率が高いと言えます。
- 月間利用者数8,600万人でアクティブユーザーが多い
- メルマガと比べ画像やスタンプなどリッチなメッセージを配信することが可能
- 友だち追加を起点に、購買意欲が高いユーザーにアプローチすることが可能
顧客と良好な関係を築きやすい
2つ目は顧客と良好な関係を築きやすいことです。LINE公式アカウントでのステップ配信は、次のような特徴があります。
- アクティブユーザーが多い
- リッチな表現が可能
- シナリオ分岐などの機能搭載でシナリオ設計が簡単
このように、より密なコミュニケーションが顧客としやすい特徴があるため、顧客と良好な関係を築きやすいと言えるでしょう。
自動配信が可能
3つ目は自動配信が可能なことです。複雑なシナリオを設計することができても工数も増加してしまっては、メリットとは言えません。
しかし、LINE公式アカウントでのステップ配信では特定の日にちに配信設定することが可能なだけでなく、友だち追加から何日後にクーポンを配信するといった対応も可能です。
このように、細かなシナリオでも自動配信ができる点がメリットと言えるでしょう。
配信コストを削減し費用対効果を高める
ステップ配信のメッセージは、通常メッセージと同じようにLINE公式アカウントの通数課金対象としてカウントされます。
LINEのステップ配信には費用がかかります。 しかも、LINE公式アカウントを契約しないとステップ配信機能は使えないので、「余計に費用がかかる」という声があるのも事実です。
しかし、ステップ配信では、友だちの属性を絞り込むことができるメリットがあります。 LINE公式アカウントで1,000件の配信が必要な場合でも、属性を絞り込むことによって100人への配信で数を抑えることが可能です。
ユーザーの状況に合わせて効果のあるメッセージのみを配信できるので、配信コストの削減はもちろん、費用対効果の高いメッセージ配信が可能です。
LINE公式アカウントにおけるステップ配信の料金とメッセージ数とは
LINE公式アカウントのステップ配信は、完全無料で利用することが可能です。ただし、月ごとにメッセージ配信の上限数があることには注意する必要があります。
LINE公式アカウントの各プランにおける料金・メッセージ配信の上限数は以下のようになっています。
フリープラン |
ライトプラン |
スタンダードプラン |
|
---|---|---|---|
月額費用(税込) |
無料 |
5,500円 |
16,500円f7eaba |
無料メッセージ通数 |
1,000通 |
15,000通 |
45,000通 |
追加メッセージ料金/1通 |
不可 |
5円 |
~3円(詳細はこちら) |
参考:LINE for Business:「料金プラン」
ステップ配信においてもメッセージ数としてカウントされ、上限に達した場合配信が停止してしまうため注意が必要です。友だち数や月間での配信数を予め想定しておくとよいでしょう。
LINE公式カウントにおけるステップ配信の時間とは
LINE公式カウントで次のステップ配信が行われるまでの時間を待ち時間といい、設定した日数を過ぎると新しい配信が行われます。
待ち時間は、メッセージ設定で開始条件を設定した後に入力することができ、1~30日の中から選べます。
商品のお知らせを送った1日後にクーポン情報、30日後に次の商品情報を送るなどユーザーが欲しいタイミングで段階的に情報を送ることで、購買意欲を搔き立てることにつながります。
LINE公式アカウントでステップ配信を効果的に行うコツ
初めて使う場合、どのような効果が出るのか分からないと思います。
ここでは、LINE公式アカウントでステップ配信を効果的に行うコツについて解説します。
顧客の気持ちに寄り添ってシナリオを決める
ステップ配信を行う際は、顧客の気持ちを考えてシナリオを決定しましょう。
一定期間内に顧客に行動してもらうには、顧客の気持ちを考慮したコミニュケーションを取ることが重要です。 シナリオを決定する際には、ステップ配信をする「対象」「何をしてほしいのか(目的)」「期限」を決めましょう。
そのうえで、顧客に何を伝えたいのか、顧客が望んでいる情報は何かを整理しながら、顧客が求めている情報を最適なタイミングで配信するシナリオを作成しましょう。
伝えたいことは繰り返し配信する
伝えたいことは何度でも配信しましょう。 伝えたいことがある場合1回の配信では伝えきれないかもしれません。
期間限定のキャンペーンや特典、競合他社との違いなどの訴求ポイントは繰り返し配信しましょう。 この際、企業側からのメッセージだけではなく顧客の声も組み入れると、同様の内容でも異なった角度から情報伝達が可能で、効果的に情報を伝達できます。
目的とターゲットを定める
既出のように、ステップ配信のシナリオを決定する際には「対象」「目的」「期限」を考慮しなければなりません。 これらをはっきりさせておかないと、ステップ配信の効果が出ないだけではなく、無意味に時間を使ってしまいます。
ステップ配信を行う目的としては以下の点が考えられます。
- 来店時に友だち登録してくれた顧客に対して再来店を促す
- タイムラインから友だち登録してくれた方をセミナーに招待する
- ホームページから友だち登録してくれた見込み顧客に対して新商品を購入してもらう
ステップ配信前に、しっかりと目的と対象を明確に定義しておくことでブレなくステップ配信を運用可能です。
ステップ配信の注意点
ステップ配信のメリットや設定方法などについて解説しましたが、ここからは注意点についても確認していきましょう。
メッセージを送りすぎない
メールと比較すると、LINE公式アカウントはブロックにより配信の停止をされやすい傾向があります。ブロックされると解除されるケースは少なく、再度配信を受け取ってもらうことが難しいため注意が必要です。
そのため適度な頻度で配信することが肝要です。あくまでも目安となりますが、1日に配信するメッセージは1通程度にして、1週間に2~3回程度までに抑えた方が良いでしょう。
ユーザーの状況に合わせて配信を除外する事が重要
ユーザーが商品を購入した後にその商品の値引きキャンペーンなどのメッセージを配信すると、不快感や不信感を与えてしまいます。
ステップ配信のメリットである自動配信はとても便利な機能ですが、ユーザーに応じた適切な配信を行わないと顧客離れの原因となることもあります。
細かい条件分岐や設定には外部ツールが必要
無料で自動配信を利用できるステップ配信機能ですが、外部ツールに比べると詳細設定や分析の面で劣るのが現状です。例えば、配信開始の条件を設定する場合、ステップ配信では友達追加、オーディエンスの項目しかありません。
しかし、外部ツールを利用すれば、特定の行動を行った顧客にタグ付けをし、条件に当てはまる人にのみメッセージを配信することが可能です。例えば、LINE公式アカウントの友だち追加時にアンケートを行い、回答によってその後のステップ配信を変えることもできます。
より本格的に、ステップ配信機能を利用したい方は、外部ツールの利用を検討すると良いでしょう。
配信されたメッセージは課金対象
ステップ配信で配信されたメッセージは課金対象のメッセージです。
LINE公式アカウントで配信できるメッセージ数は、利用プランごとに上限が決まっています。 ステップ配信を続々と配信するとメッセージ数がプラン上限に達してしまいます。そのため、プラン上限の変更や従量課金で対処する必要があります。
また、全てのステップ配信が顧客に読まれるとは限りません。 分析機能を活用すればメッセージごとの開封数やクリック数を確認できるので、メッセージへの反響をチェックしながら配信内容や配信数を調整しましょう。
メッセージ数の上限を超えた場合
先ほども申し上げた通り、プランごとにメッセージ配信通数の上限が決まっています。この上限を超過するとステップ配信が止まってしまいます。
再開したい場合は、プラン変更などが必要になります。
プランごとに配信できるメッセージ通数は以下の通りです。
フリープラン |
ライトプラン |
スタンダードプラン |
|
---|---|---|---|
無料メッセージ通数 |
1,000通 |
15,000通 |
45,000通 |
追加メッセージの可否 |
不可 |
追加課金すれば可 |
追加課金すれば可 |
月額費用(税込) |
無料 |
5,500円 |
16,500円 |
※プラン変更は月の途中でも可能です。
※追加メッセージにかかる料金はライトプランは1通5円、スタンダードプランは1通3円〜でメッセージ量に応じて単価が下がります。
友だちがアカウントをブロックした場合
LINEは、ほかのSNSと比べてブロックされやすいデメリットがあります。
友だちがブロックした場合は、配信停止になります。 その同一の友だちがブロックを解除した場合は、新規の友達の扱いとなり、ステップ配信は最初から行われます。
しかし、一度ブロックした顧客側からブロックを解除してもらうケースは稀なので、日頃からブロックされないような配信内容や配信のタイミングを工夫することが必要です。
LINE公式アカウントでステップ配信をする3つの方法
LINE公式アカウントを用いてステップ配信を行う方法は以下の3点があります。
- LINE公式アカウントのステップ配信機能を利用する
- 外部ツールを連携する
- Messaging APIで自社のニーズに合ったシステムを開発する
ここからは、この3つの方法について紹介します。
LINE公式アカウントのステップ配信機能を利用する
LINEアカウントの標準機能を活用し、友だち登録済みの顧客リストに配信できます。 タグ機能もあり、無料で利用できますが、専門のツールではないので対応状況やメッセージ配信に手間がかかる場合があるのは否めません。
Line Official Account Managerでは、友だち追加起点やメッセージ配信の詳細のターゲティングを行う機能の「LINE公式アカウントのオーディエンス」を開始条件・分岐として設定可能です。
外部ツールを連携する
上記以外の開始条件でステップ配信を利用する場合は、外部ツールを導入しましょう。 外部ツールと連携すれば、商品購入や来店など、さまざまな顧客アクションを起点としたステップ配信が可能です。
ステップ配信に活用できる外部ツールは数多くあります。 ステップ配信以外にも高度な分析機能やセグメント配信、顧客管理が可能なツールもあるので自社で必要とする機能を備えているツールを導入しましょう。
Messaging APIで自社のニーズに合ったシステムを開発する
LINE公式アカウントの基本機能や外部ツールでは自社が望む運用方法ができないという場合は、「Messaging API」を活用することで、自社でシステム開発を行うことも可能です。
ただし、自社でシステム開発を行うためには専門的な知識が必要ですし、開発にはコストもかかります。 そのため、自社に開発リソースがない場合には、ここまでに紹介した2つの方法を利用するのがおすすめです。
LINE公式アカウントでステップ配信が配信されない理由と対策
LINE公式アカウントでステップ配信が配信されない理由は、以下の3つです。
- メッセージ数が上限を超えている
- 配信数に対しての配信時間帯が短い
- シナリオの途中でユーザーがブロックした
それぞれの対策も合わせて解説します。
理由①メッセージ数が上限を超えている
LINE公式アカウントのステップ配信は、プランによってメッセージ数が決められており、上限を超えると自動的に配信が止まります。
すぐに配信を再開させるには、1つ上の利用プランに変更し配信可能なメッセージ数を増やすことが必要です。メッセージの配信数を確認するには、管理画面の【メッセージ配信】>【メッセージリスト】で見られます。
メッセージ数は毎月リセットされるため、プラン変更が難しい場合は翌月まで待ちましょう。
理由②配信数に対しての配信時間帯が短い
配信したいメッセージ数に対して、設定した配信時間が短いとメッセージを配信し終わらず止まることがあります。単純に時間が足りないケースのため、配信時間を伸ばして再設定しましょう。
配信時間は最低1時間から設定可能ですが、LINE公式アカウントでは3時間以上に設定することを推奨しています。
たとえ配信が止まってしまっても、翌日の同じ時間帯に再送信されるため情報が伝わらないことはありません。しかし、新店舗の開店に合わせたクーポンやチラシなど、その日のうちに届けたい情報もあるでしょう。
配信時間を長めに設定することで、指定した日時でユーザーへ情報を届けられます。
理由③シナリオの途中でユーザーがブロックした
シナリオの途中でユーザーがブロックした場合、次のメッセージから配信されなくなります。
解決方法はユーザーがブロックを解除するのみで、LINE公式アカウント側から連絡をとることはできません。
また、仮にユーザーがブロックを解除したとしても、新しい友達と認識され最初のステップから配信し直されることになります。
ステップ配信の頻度や内容を工夫し、ユーザーにとって魅力の多い情報発信をすることでブロックされない運用を実施することが大切です。
ステップ配信が使用可能な外部ツールを選ぶ際のポイントを解説
ステップ配信が使用可能な外部ツールを選ぶ際には、以下のようなポイントを抑えておくことが重要になります。
- ステップ配信以外に使用できる機能がないか確認する
- サポートの体制がどうなっているかを確認する
- 配信通数と月額料金を確認する
では順に紹介します。
ポイント①ステップ配信以外に使用できる機能がないか確認する
ステップ配信が使用可能な外部ツールを選ぶ際には、それ以外にも使用できる機能がないかを確認することが大切になってきます。
それ以外の機能としては以下のような機能をあげることが出来ます。
- 効果測定機能
「顧客がどこから流行しているのか」「顧客が何を求めているのか」等が把握可能。
- セグメント配信
顧客を性別・年齢・購入履歴などから区分して、興味がありそうな内容を配信可能。
- アンケート機能
アンケートを通じて「顧客が何を求めているのか」などの確認可能。
- LP作成機能
ランディングページ(Landing Page)を作成することで、集客が効果的行えるかもしれません。
外部ツールを選ぶ際には、ステップ配信はもちろん重要ですが、それ以外に仕様できそうな機能が無いのかを注視して選ぶようにしましょう。
ポイント②サポート体制がどうなっているかを確認する
- 24/365サポートの有無
ツール提供元が24時間365日のサポートを提供しているか確認しましょう。ステップ配信はリアルタイムで行われるため、トラブルが発生した場合に即座の対応が求められます。
- サポート手段
サポートは電話、メール、チャットなど様々な手段で提供されます。ツール提供元が複数の連絡手段を提供していることで、状況に応じて柔軟に連絡が取れるでしょう。
- 技術的なサポートの質
ステップ配信はテクニカルな問題が発生する可能性が高いです。提供元が経験豊富で質の高い技術サポートを提供できるか確認しましょう。ユーザーレビューや評判を参考にするのも一つの手段です。
- オンラインリソースの充実度
ツール提供元が公式のドキュメンテーションや知識ベースを提供しているか確認しましょう。利用者が問題を解決するための情報にアクセスできることは大きな利点です。
- アップデートサポート
ステップ配信ツールは頻繁にアップデートされることがあります。提供元がアップデートに関するサポートを提供しているか、またアップデートがスムーズに行えるか確認しましょう。
- コミュニティの存在
ユーザーコミュニティが存在する場合、他のユーザーとの情報交換が可能です。提供元が公式フォーラムやコミュニティを提供しているかどうか確認し、コミュニティの活発さも見ておくと良いでしょう。
ポイント③配信通数と月額料金を確認する
- 配信通数の柔軟性
事業の成長に伴い、配信通数が変動する可能性があります。ツールが柔軟に配信通数を拡張できるかどうかを確認しましょう。将来的な拡張がスムーズに行えると、スケーラビリティに優れています。
- 利用状況に応じた課金体系
月額固定料金だけでなく、利用状況に応じた課金体系があるか確認しましょう。ビジネスのピーク時や需要が高まるときに追加費用がかからないような柔軟な課金体系は、予算の効率的な利用を可能にします。
- 無料トライアルやデモの有無
ツールが提供する機能や性能を確かめるために、無料トライアルやデモを提供しているか確認しましょう。これにより、実際の運用前にツールの適合性を確認できます。
- 隠れた費用の有無
月額料金以外に発生する可能性のある追加費用を確認しましょう。例えば、サポート料金やデータ転送量に関連する追加費用があるかどうかを把握しておくと良いです。
- 割引や長期契約のメリット
長期契約や大量の配信通数を利用する場合、割引が適用されることがあります。ツール提供元が割引制度を提供しているかどうかを確認し、コストの最適化を検討しましょう。
LINE公式アカウントのステップ配信を活用した事例
LINE公式アカウントを活用したステップ配信はいろいろな事例があります。
ここでは特に注目できる導入事例を5つ紹介します。
事例1|個別相談やセミナーへの参加の誘導
LINE公式アカウントを活用してステップ配信を行うなら、個別相談やセミナーへの参加の誘導に活用することが可能です。友だち追加した方に、セミナーへの参加や個別相談をするメリットの記載した内容を送信することで、参加への意欲を向上させることができます。
友だち登録のお礼を始めにメール送信してから、セミナーの内容を紹介、他社との違いを説明、セミナーの案内という順番で行うと、ユーザーの参加意欲を高めることができます。セミナーへの具体例などを送信するとより他との違いを認識しやすくなるでしょう。
事例2|習いごとや教室の案内
習いごとや教室の案内として利用することもできます。LINE公式アカウントのステップ配信でヒアリングを主内容としたメッセージを送信し、習い事や教室の参加人数を増やすことも可能です。
例えば、ステップ配信で週に何回通うことができるのかという旨のメッセージを送信した後、「目的はダイエットかリフレッシュなのか」「どのような広告を見たのか?」という点を質問します。
そうすることで、顧客の目的や状況に応じた最適なコースを宣伝することができ、オンラインスクール運営者などは的確に顧客ニーズの把握ができます。
事例3|店舗(飲食店・レストラン。ショッピング)からの再来店を促すクーポンの配信
ステップ配信では、配信するための開始条件に友だち追加経路を指定可能です。
その際、「外部流入(QRコードやWebページなど)」を選択すれば、QRコード経由で友だち追加してくれた顧客にメッセージを自動的に配信できます。
まず、店舗に友だち追加用のQRコードを掲載したポスターおよび店頭POPを設置し、来店した顧客にLINE公式アカウントの友達になってもらいましょう。
その後、店舗で友だち追加してくれた可能性が高い顧客に対して、クーポンやメッセージをステップ配信で送信することで再来店を促すことができます。
事例4|不動産・住宅情報サービスから不動産情報の案内
せっかく作成したコラム記事およびお役立ち情報などは少しでも多くの方に見てもらいたいと思います。
一斉配信では友だち追加後からのメッセージしか顧客は受け取りできませんが、ステップ配信であれば、以下のように全員に情報を届けることが可能です。
- 1通目(友だち追加当日):友だち追加へのお礼メッセージ
- 2通目(3日後):不動産会社を選ぶ際の3つのポイント
- 3通目(7日後);賃貸が良いか?持ち家か?
- 4通目(14日後):低金利ローンについて
事例5|オンラインショップでステップ配信を活用する例
オンラインショップでは、健康食品や化粧品などの継続購入につなげるためにも、以下のようにステップ配信を活用できます。
- 1通目(友だち追加当日):購入直後に友だち追加をしてもらい、購入に対するお礼と使い方のコラムを配信
- 2通目(7日後):顧客の口コミを紹介
- 3通目(14日後):商品紹介のコラムを配信
- 4通目(21日後):継続使用の特典クーポンおよび承認購入リンクを送信
商品を使用するタイミングに沿って、顧客が知りたい情報を配信し、商品がなくなりそうなタイミングで継続特典クーポンを配信することで、継続的に商品購入の後押しを行えます。
事例6|採用活動での活用事例
新卒や中途採用を行う際に会社の魅力を発信するケースでも、LINE公式アカウントのステップ配信が効果的です。
- 1通目(友だち追加当日):会社説明会で使った資料を送る
- 2通目(1日後):採用ページと応募フォームのリンクを送る
- 3通目(7日後):先輩社員のインタビュー記事と応募フォームを送る
- 4通目(14日後):募集している職種の案内と応募フォームを送る
採用される側が気になる情報を段階的に送信することで接触回数が増え、会社への興味関心の育成につながります。
まとめ
本記事ではLINE公式アカウントでのステップ配信のメリットや注意点について解説しました。LINEをマーケティングやプロモーションに活用していくことで、メールではリーチできない層へもアプローチが可能になります。
ただし、LINE公式アカウントだけでは、設定の自由度や分析機能が限られていることもあり、本格的にLINE配信によるマーケティングを実施する際には、外部ツールを用いることが必要です。
LINE公式アカウントでのステップ配信は無料で利用できるため、配信自動化の第1歩として利用してみるのも良いでしょう。
最新のEC・CRM事例やノウハウ、事業者対談セミナー・記事などマーケティングに役立つ情報をお届けします。