【カンタン解説】PDCAサイクルとは? 業務効率を改善するフレームワークを解説
企業という組織が大きくなればなるほど、重要になるのが計画を立てて実行すること。立てた計画がうまくいけば、その循環を再び回せるようにしていきたいですよね。
そんなときに役立つフレームワーク、手法のひとつがPDCA。多くの企業がPDCAを上手に回して効果を上げてきています。PDCAとは何なのか? どんな場面で使うのかなどについて解説します。
INDEX
- 1 そもそも、PDCAとは?
- 2 PLAN・DO・CHECK・ACTION:各工程を解説
- 3 PDCA4つのメリット! 期待できる効果
- 4 PDCA3つのデメリット
- 5 PDCAを成功させる6つのポイント
- 6 PDCAの使い方は? どんな場面で使うのか具体例も解説
- 7 PDCAサイクルが古いとされる理由
- 8 PDCAに似た手法「OODA」とは?
- 9 PDCA3つのメリット! 期待できる効果
- 10 PDCA3つのデメリット
- 11 PDCAを成功させる6つのポイント
- 12 PDCAの使い方は? どんな場面で使うのか具体例も解説
- 13 PDCAサイクルが古いとされる理由
- 14 PDCAに似た手法「OODA」とは?
- 15 まとめ
そもそも、PDCAとは?
PDCAとは、計画を立てて実行した行動を検証して改善していくための継続的な改善手法のこと。プロジェクトを計画、実行したら、そのまま放置するわけではありません。
必ず数字として効果を測定して、見直しをする必要があります。改善を繰り返すことで、大きな効果を生むことができます。その基本的なフレームワークがPDCA。PDCAサイクルとも呼ばれ、サイクルを構成する4つの工程の頭文字を合わせたものです。
PDCAサイクルの意味や概要
PDCAサイクルは、英語の4つの単語の頭文字を組み合わせた略語です。
Plan:目標達成のために具体的な計画を立てる Do:計画に基づいて行動する Check:実行結果を評価する Action:評価結果に基づいて改善する
この手法では、まず計画を立て、次に実行し、その後評価を行い、最終的に改善策を導き出します。
継続的な改善、目標達成、効果の最大化、効率化、リスクの低減を実現するためには、このプロセスを繰り返し実行することが重要です。
問題の解決や業務プロセスの最適化を目指します。 この一連の流れをPDCAサイクルと呼び、継続的な改善を促進する手法として幅広く活用されています。
PDCAの歴史
PDCAが始まったのは1950年代です。
アメリカの統計学者デミング博士のPDCAの基本原理が発表されました。
現在のようなビジネスシーンで使われるようになったのは1990年代の終わり頃と言われています。
PDCAは元々、製造業における統計的品質管理手法として使われていたフレームワークです。
やがて製造業以外にも広がり、現在ではさまざまな企業の施策管理、国や地方自治体における施策管理の基本的な考え方として活用されています。
さらに、国際規格のISO9001やISO14001などのマネジメントシステムの継続的改善にも役立てられています。
PLAN・DO・CHECK・ACTION:各工程を解説
4つのプロセスからなる、PCDAを1周させたら、次のPDCAを回していきます。
まるで、螺旋を回すようにようにしながら効果測定を繰り返して、継続的な改善をしていきます。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
それぞれ4つの工程を詳細に解説していきます。
PLAN(計画)
いままでの実績や成果、将来の予測などをベースにして計画を決定します。また、この際に注意したいことは実現性が高いものにすることがポイントです。
複雑な計画になってしまうと振り返りした際などに何が良くなかったかなどがわかりづらく、PDCAを回す意味がなくなってしまう場合もあります。そのため、目標はシンプルかつ実現性が高いものにしておきましょう。
DO(実施・実行)
「Plan」で立てた目標を元に実行に移します。この実行プロセスの際は、ちゃんと記録をするようにしましょう。定性・定量の両方の面で記録しておくとベストですが、マストとして定量的な実行記録は残すようにするのがおすすめです。
PDCAの「C」の際にちゃんと評価が出来るようにしておきましょう。
CHECK(点検・評価)
実施が計画通りのものになっているかどうかを確かめます。目標通りに言っているのであれば、「なぜ上手くいったか」。目標よりもビハインドしてしまった場合は「なぜ上手く
いかなかった」のかを定量的に分析をします。
そうすることで、次の改善に繋がります。
ACTION(処置・改善)
実行が計画に沿っていない部分はないか、改善の余地はなかったかなどを調べて見直しを行っていきます。
PDCAはこのプロセスを回すことで一巡します。しかし、一巡したからといってビジネスが上手くいっているとは限りません。このPDCAプロセスを何回も改善しながら回すことによって、ビジネスが上手くいく可能性が広がって行くのです。
PDCA4つのメリット! 期待できる効果
ここからは、PDCAサイクルを積極的に活用することで、企業にとってどのような期待できる効果をもたらすのかを解説します。
業務改善のノウハウが蓄積でき事業や業務改善が継続的にできる
PDCAサイクルを業務改善に適用するには、組織の社員が個々の目標を理解し、実行内容に優先順位をつけることが不可欠です。
例えば、注文書の送付や納品物の検収といった簡素な業務でも、内部システムや規則には微細な改善点が存在します。
更に、PDCAは単発的なものではなく、継続的なフィードバックを通じて中長期的な改善を目指しています。
言い換えれば、PDCAサイクルを適切に進めれば、業務の改善と成果の向上が確実に実現されることは間違いありません。
目標と課題が明確になる
PDCAには明確な目標があるので、運用することで、自身の業務を客観的に分析し、改善点を見つけることができます。
たとえば、営業部の目標を「売上を増やす」と設定してしまうと、曖昧で具体的に何をしていいかわかりません。「Aエリアの新規顧客を10件獲得する」といったように具体的に立案すれば、各個人が目標達成に向けてタスク化し行動可能です。
タスク化までの流れはまず売上高や契約件数など最終的な目標を決めます。
次に中間目標となる訪問件数や架電数を決めます。
KPIやタスクを一定の間隔で更新することで、現場のモチベーションも向上します。
このように数値的な基準を使って、具体的な目標を設定するPDCAを活用することで、目標と課題を明確にすることができます。
PDCAを実行する際には、明確な目標が設定されているため、自身の役割や会社の要求事項を再確認することができます。
たとえば、営業部の目標が単に「売上を増やす」と設定されている場合、目標が曖昧で、自身の行動に具体的に落とし込むことが難しくなります。
一方、「Aエリアの新規顧客を10件獲得する」という具体的な目標が立てられれば、各個人がその目標達成に向けてタスクを設定し、行動に移すことが可能です。
このタスク化のプロセスでは、まず最終的な目標である売上高や契約件数などが確立されます。次に、その中間目標として訪問件数や架電数が設定されます。そして、KPIやタスクを一定の間隔で更新することで、現場のモチベーションも高まります。
PDCAサイクルを用いると、組織の目標達成率が向上しますが、目標や課題が明確になるという点で大きな利点をもたらします。
行動に集中しやすくなる
PDCAはPlanの段階で目標やアクションプランを決められるので、 自分は何をするべきか 組織に何を求められているのか を明確に理解できます。
目標やアクションプランへの理解は行動や作業に大きく影響を与えます。
Planで立案した目標や計画に向かって集中力を高められれば生産性の向上も見込めます。 行動の途中で方向性ややり方で悩むケースが不要なので、目の前の行動に集中できるのです。
組織の目標達成率が向上する
組織の目標達成率を飛躍的に向上させるPDCAサイクルを効率的に運用するには、以下の2つのポイントを徹底的に評価することが重要です。
多角的な結果検証 計画との整合性、目標達成への貢献度、潜在的な課題を定量・定性的に多角的に検証 原因の特定と課題の本質を明確化 2. 迅速な改善サイクルの構築
具体的な改善策を迅速に立案・実行し、効果を定量的に測定
効果検証に基づき、改善策を継続的に修正・最適化
これらの評価に基づいて、計画を修正したり、目標を変更したりすることで、より効果的なPDCAサイクルを回すことができます。
現時点での課題や問題点が明確になる 外部環境などの変化も次回のサイクルの計画に反映可能 繰り返しサイクルを回すなかで計画の精度が上がる
PDCAサイクルを回す中で、無理な目標設定や実行不可能な計画の立案などの無駄が減り、組織としての目標達成率の強化が可能です。
PDCA3つのデメリット
PDCAサイクルは、さまざまな業種や業界で使われており、上手に活用すれば、非常に有効なフレームワークです。
しかし、デメリットとなりかねない点も持ち合わせているのも事実です。
以下に挙げる3点は、よく言われる「PDCAはもう古い」といわれる原因にもなっているので、PDCAのデメリットとして押さえておく必要があります。
PDCAが形骸化する
PDCAが形骸化し、PDCAを回す事自体が目的になっているケースが見受けられます。
PDCAサイクルを効果的に回すためには、計画と評価、行動と改善の両面を有機的に連携させることが重要です。
従来の階層構造では、上司が計画と評価を担当し、現場が行動と改善を担当するため、以下のような課題が生じることがあります。
- 現場の意見が反映されない計画
- 実行可能性を無視した目標設定
- 費用対効果の低い改善策
これらの課題を克服するために、以下の点を意識することが重要です。
1. 計画と評価
- 現場の意見を取り入れる
- 実行可能性を考慮した目標設定
- 費用対効果を意識した計画
2. 行動と改善
- 上司が現場を支援
- 定期的な状況確認とフィードバック
- 必要なリソースの提供
- 改善活動の支援
3. 組織全体の意識改革
- PDCAサイクルの重要性を理解
- 積極的に改善に取り組む
これらの点を意識することで、
目標達成
業務効率化
品質向上
組織全体の活性化
といった効果を期待できます。
しかし、組織内でPDCAサイクルが形骸化すると「とりあえず計画をたてて、それに沿って行動すればよい」といった意識ばかり強くなってしまいます。
結果的に国際競争力や生産性の低下を招き、「時代遅れ」的な手法になってしまうのです。
イノベーションが生まれにくい
PDCAサイクルは、過去の経験や定量データを基に計画・実行・評価・改善を繰り返し、業務を継続的に改善していくためのフレームワークです。
1巡目のPDCAサイクルが終了すると、次の計画に移行しますが、この計画は前巡のPDCAサイクルから導き出されたものです。
つまり、過去の経験やデータを活かし、より効果的な計画を立てることができます。
PDCAサイクルを反復することで、以下のような効果を得ることができます。
業務の効率化
品質の向上
目標達成
組織全体の活性化
PDCAは、既存の業務を継続して改善していくためのものです。創造性を磨いたり新規事業を生み出したりするのには向いていません。
イノベーションを生み出すためのフレームワークは、後ほど取り上げるOODAがより適しています。
改善に時間がかかる
PDCAサイクルは、一連の流れを経て改善を行います。
そのなかでも、評価の継続が大切です。
たとえば、改善の方法がわかった時点でその方法をすぐに実行に移せば、その問題はすぐに解決する可能性があります。
しかしながら、PDCAサイクルは、必ず評価しその後に改善に取り組むので、業種や業界によっては改善に思いの外時間がかかってしまうのです。
また、現代の事業環境は変化が激しく、PDCAサイクルの時間感覚では実態に追いつかないとも言われています。
PDCAサイクルのフレームワークは現代のビジネスのスピードには適さない可能性があることも踏まえておきましょう。
PDCAを成功させる6つのポイント
企業がPDCAサイクルを成功させるには、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。
ここからは、PDCAをうまく遂行するための6つの要点について解説します。
計画を確実に実行する
計画を確実に実行することが初めの重要な要素です。
目標やその目標に対する計画や戦略を設定したら確実に実行しましょう。
計画通りに実行しないと、計画が良かったのか悪かったのかを確認できません。
- 後々、評価および分析がしやすいように活動記録を残す
- 計画通りに進まなかった場合は、その状況や課題が分かるように記録しておく
- 結果が良かったのか、悪かったのかを客観的に分析して、なぜそのような結果になったのかを振り返る
PDCAを有効に進める鍵は、行動を含む実行の具体的な内容を構築することです。
無理がない計画を組む
2つ目は、無理がない計画を組むことです。
これはPDCAサイクルのすべての過程でいえることです。
- 計画が曖昧であれば実行すべき内容も不明確になる
- 根本的な原因が分かっても、実行性の高い改善案に反映出来なければ無駄になってしまう
ということです。
それを回避するには、無理がない計画を組むことが大切です。
背伸びをせずに、自分ができる範囲でPDCAを考えましょう。
自分が持っている業務量との兼ね合いを考えることももちろん大切です。
目的や目標を明確にする
もっとも重要なポイントが目的や目標を明確にしておくことです。
取り組む業務の目的や達成すべき目標が明確になっていなければ、そもそも計画が立てられません。
PDCAは目標達成を促進する手法であり、ゴールが明確であればあるほど計画や評価手法も具体的にできます。
たとえば、「顧客満足度の向上」といった目標だと抽象的で、人それぞれ受け止め方に幅があります。
目指すゴールがまちまちでは、行動のレベルにも大きな差が開く可能性があります。
また、計画や評価手法が具体化されれば、必要なリソース配分の精度向上にも役立ちます。
継続的に回し続ける
PDCAサイクルは1回で終わらせることなく、目標が達成するまで何度でも実行することが重要です。
1回のサイクルでは見落とされた問題点が、何度も繰り返すことによって分かる場合もあるのです。また、やりっ放しや評価しただけで改善しないなどサイクルの途中で止めてしまっては意味がありません。
記録を残す
活動した記録を残さないと、次の検証に繋がりません。
活動記録をしっかり残して検証しやすいように心がけることが大切です。
万一計画通りに事が運ばなければ、どうして上手くいかなかったのかを記録しておきましょう。
後々検証する際に、記録がないと曖昧のまま振り返ることになり、効果が出づらくなります。
近年ではITツールにより、自動的に記録されたり、簡単にログが残せるようなしくみがさまざまあるので活用しましょう。
たとえば、毎日の仕事の進め方を改善したいのであれば、仕事のログを簡単に取れるアプリがあります。また、お金の使い方を改善したいのであれば、マネーフォワードなどを活用すれば自動連携して、記録を簡単に確認可能です。
PDCAの使い方は? どんな場面で使うのか具体例も解説
PDCAは、もともと製造業の事業活動において、生産管理や品質管理などの管理業務を計画どおりに、円滑にすすめるための管理サイクル、マネジメントサイクルの一つでした。
現在では、IT企業などを始めとする色々な業種の企業に導入されているフレームワークです。
PDCAの使い方
使い方はシンプルでPDCAサイクルの工程をそれぞれ実行していくだけ。しかし、シンプルで簡単なフレームワークゆえに奥が深く実行するのがとても困難です。
特に、計画を立てて実行することや点検・評価を重ねて改善するという流れを作ることができずにPDCAのCAの部分を行わずにPDだけになってしまう企業が多く存在します。
PDCAサイクルを導入している有名企業を例としてあげると下記の企業があります。
PDCAサイクルを導入している企業の一例
1.無印良品
2.ソフトバンク
3.ヤフー
4.リクルート
5.トヨタ
例えば、衣服、生活雑貨、食品という幅広い品ぞろえからなる品質の良い商品を提供している企業、無印良品はPDCAを導入したことで今の成功があるともいわれています。
事実、無印が実行したPDCAは書籍化されるほど、有名なものになっています。
実行100%の組織をつくる最強のサイクルであるPDCAを実行することで、かつてのどん底からのV字回復や、現在の常勝経営を支える仕組みづくりを支える強力なツールとなりました。
PDCAサイクルが古いとされる理由
近年では「PDCAサイクルは古い。現在のビジネス環境には使えない」といった声も聞かれます。
なぜこのような意見が聞かれるようになったのか、その理由を考えてみます。
スピード感が時代に合わなくなってきている
PDCAサイクルが古いといわれる最も大きな理由は、改善までに時間がかかるという点です。
PDCAサイクルは、特性上、計画から改善までひと通りサイクルを回さなければなりません。
しかし、ITが進化した現代において状況は凄まじい速さで変化します。PDCAサイクルは計画の中断はできないので、状況が変わっても、すぐに対応するのは不可能です。
PDCAサイクルをさらに進める際には、施策の評価やチェックが必要なのも時間がかかる理由の一つです。評価やチェックを行っているそばから状況が変わるケースは決して少なくありません。
高速で変化する現代の社会のスピードにPDCAサイクルではついていけないケースも存在するのです。特に、スピード感を重視する業界・業種ではPDCAサイクルでは対応しにくくなっています。
革新的なアイデアがなかなか出ない
PDCAサイクルでは、前例であったり過去の状態をもとにして改善策を考えます。そのため、枠組みやルールにとらわれない革新的なアイデアの創出は苦手です。
グローバル化が進む現代では、従来のやり方では通用しない場面は数々あります。その際に必要になるのは、従来とは異なる視点の打開策です。
その点、PDCAサイクルを進める際に前例を参考にする方法では、外部環境による困難を乗り越えることが現実的に難しいことがあります。
PDCAに似た手法「OODA」とは?
変化の激しい市場および顧客ニーズに対応するため、いま注目されているのがOODAというフレームワークです。
アクションを実行し、業務を改善する点はPDCAと共通していますが、大きな違いもあります。
OODAとは、Observe(観察)・Orient(方向づけ)・Decide(判断)Action(行動)のそれぞれの頭文字をとった言葉です。
PDCAと同じく、業務改善や高い成果を導くためのフレームワークです。
OODAは1970年代にアメリカ空軍のジョン・ボイド大佐により空中戦戦術という概念が提唱されました。
ボイド大佐の朝鮮戦争の経験をもとに相手の状況を観察し、即戦術を考え、判断して行動に移す戦術理論を考案したと言われています。
OODAの一番の特徴は「意思決定を早く行える」点です。実際の戦場ではPDCAのようにじっくり検討する時間などありません。その都度迅速の判断を求められます。このことは変化の激しい現代のビジネスシーンにとっても同様です。
競合企業の動きや顧客のニーズの変化を素早く察知し、素早い判断と行動力がなければ市場で生き残れません。そのため、近年ビジネスシーンにおいてもOODAが活用されています。
OODAループとは?
OODAの特徴としては、一度だけの実行ではなく、ループしながら調整機能を働かせて、何度も素早く繰り返す
何度も繰り返す中で、相手を圧倒し、自分にとって優位な立場を獲得する
OODAループのポイントは、ポイントは、前回の行動の結果が次のサイクルで観察され、反映されることです。
PDCAのような計画および評価、振り返りなどがないので迅速な行動が可能です。
外部環境の変化が激しく、すぐに的確な意思決定が必要な場面では、OODAループが有効です。
OODAループのプロセスは以下の4つです。
Observe(観察)
とにかく相手を観察し、チームや自社内外の情報を収集し現状を把握します。
自ら立案した計画に固執せずに、相手を観察して出方を窺いましょう。<>br 意思決定者自ら観察を行うことで外部状況に関する生きたデータが収集できます。
業界の環境、新技術、競合といった調査を行います。
Orient(状況判断・方向付け)
現時点で現実に何が起きているのかという現状の把握、理解に意識を集中し、集めたデータが何を意味するのか深く思考を巡らせてください。
その上で、データの本質を理解し、状況判断を行いましょう。
前段のObserveで収集した生きたデータを価値判断の材料として価値ある情報に変換していくのです。
Decide(決断)
価値判断の材料ともいえる情報をもとに決断します。
最善の対処法を見極め、本質を理解した現状や状況に対して具体的な作戦や手段といった実行計画を決断します。
Act(行動)
前項で決断した内容に従って実行します。
OODAループのポイントはこの最後のActの結果が次のループ時のObserveで反映される点です。
PDCA3つのメリット! 期待できる効果
ここからは、PDCAサイクルを積極的に活用することで、企業にとってどのような期待できる効果をもたらすのかを解説します。
業務改善のノウハウが蓄積でき事業や業務改善が継続的にできる
PDCAサイクルを業務改善に適用するには、組織の社員が個々の目標を理解し、実行内容に優先順位をつけることが不可欠です。
例えば、注文書の送付や納品物の検収といった簡素な業務でも、内部システムや規則には微細な改善点が存在します。
更に、PDCAは単発的なものではなく、継続的なフィードバックを通じて中長期的な改善を目指しています。
言い換えれば、PDCAサイクルを適切に進めれば、業務の改善と成果の向上が確実に実現されることは間違いありません。
目標と課題が明確になる
PDCAには明確な目標があるので、運用することで、自身の業務を客観的に分析し、改善点を見つけることができます。
たとえば、営業部の目標を「売上を増やす」と設定してしまうと、曖昧で具体的に何をしていいかわかりません。「Aエリアの新規顧客を10件獲得する」といったように具体的に立案すれば、各個人が目標達成に向けてタスク化し行動可能です。
タスク化までの流れはまず売上高や契約件数など最終的な目標を決めます。
次に中間目標となる訪問件数や架電数を決めます。
KPIやタスクを一定の間隔で更新することで、現場のモチベーションも向上します。
このように数値的な基準を使って、具体的な目標を設定するPDCAを活用することで、目標と課題を明確にすることができます。
PDCAを実行する際には、明確な目標が設定されているため、自身の役割や会社の要求事項を再確認することができます。
たとえば、営業部の目標が単に「売上を増やす」と設定されている場合、目標が曖昧で、自身の行動に具体的に落とし込むことが難しくなります。
一方、「Aエリアの新規顧客を10件獲得する」という具体的な目標が立てられれば、各個人がその目標達成に向けてタスクを設定し、行動に移すことが可能です。
このタスク化のプロセスでは、まず最終的な目標である売上高や契約件数などが確立されます。
次に、その中間目標として訪問件数や架電数が設定されます。そして、KPIやタスクを一定の間隔で更新することで、現場のモチベーションも高まります。
PDCAサイクルを用いると、組織の目標達成率が向上しますが、目標や課題が明確になるという点で大きな利点をもたらします。
行動に集中しやすくなる
PDCAはPlanの段階で目標やアクションプランを決められるので、
- 自分は何をするべきか
- 組織に何を求められているのか を明確に理解できます。
目標やアクションプランへの理解は行動や作業に大きく影響を与えます。
Planで立案した目標や計画に向かって集中力を高められれば生産性の向上も見込めます。 行動の途中で方向性ややり方で悩むケースが不要なので、目の前の行動に集中できるのです。
組織の目標達成率が向上する
組織の目標達成率を飛躍的に向上させるPDCAサイクルを効率的に運用するには、以下の2つのポイントを徹底的に評価することが重要です。
- 多角的な結果検証
- 計画との整合性、目標達成への貢献度、潜在的な課題を定量・定性的に多角的に検証 原因の特定と課題の本質を明確化 2. 迅速な改善サイクルの構築
具体的な改善策を迅速に立案・実行し、効果を定量的に測定
効果検証に基づき、改善策を継続的に修正・最適化
これらの評価に基づいて、計画を修正したり、目標を変更したりすることで、より効果的なPDCAサイクルを回すことができます。
現時点での課題や問題点が明確になる 外部環境などの変化も次回のサイクルの計画に反映可能 繰り返しサイクルを回すなかで計画の精度が上がる
PDCAサイクルを回す中で、無理な目標設定や実行不可能な計画の立案などの無駄が減り、組織としての目標達成率の強化が可能です。
PDCA3つのデメリット
PDCAサイクルは、さまざまな業種や業界で使われており、上手に活用すれば、非常に有効なフレームワークです。
しかし、デメリットとなりかねない点も持ち合わせているのも事実です。
以下に挙げる3点は、よく言われる「PDCAはもう古い」といわれる原因にもなっているので、PDCAのデメリットとして押さえておく必要があります。
PDCAが形骸化する
PDCAが形骸化し、PDCAを回す事自体が目的になっているケースが見受けられます。
PDCAサイクルを効果的に回すためには、計画と評価、行動と改善の両面を有機的に連携させることが重要です。
従来の階層構造では、上司が計画と評価を担当し、現場が行動と改善を担当するため、以下のような課題が生じることがあります。
- 現場の意見が反映されない計画
- 実行可能性を無視した目標設定
- 費用対効果の低い改善策
これらの課題を克服するために、以下の点を意識することが重要です。
1. 計画と評価
- 現場の意見を取り入れる
- 実行可能性を考慮した目標設定
- 費用対効果を意識した計画
2. 行動と改善
- 上司が現場を支援
- 定期的な状況確認とフィードバック
- 必要なリソースの提供
改善活動の支援
3. 組織全体の意識改革
- PDCAサイクルの重要性を理解
- 積極的に改善に取り組む
これらの点を意識することで、 目標達成 業務効率化 品質向上 組織全体の活性化 といった効果を期待できます。
しかし、組織内でPDCAサイクルが形骸化すると「とりあえず計画をたてて、それに沿って行動すればよい」といった意識ばかり強くなってしまいます。
結果的に国際競争力や生産性の低下を招き、「時代遅れ」的な手法になってしまうのです。
イノベーションが生まれにくい
PDCAサイクルは、過去の経験や定量データを基に計画・実行・評価・改善を繰り返し、業務を継続的に改善していくためのフレームワークです。
1巡目のPDCAサイクルが終了すると、次の計画に移行しますが、この計画は前巡のPDCAサイクルから導き出されたものです。
つまり、過去の経験やデータを活かし、より効果的な計画を立てることができます。
PDCAサイクルを反復することで、以下のような効果を得ることができます。
- 業務の効率化
- 品質の向上
- 目標達成
- 組織全体の活性化
といった効果を期待できます。
PDCAは、既存の業務を継続して改善していくためのものです。
創造性を磨いたり新規事業を生み出したりするのには向いていません。
イノベーションを生み出すためのフレームワークは、後ほど取り上げる後述のOODAがより適しています。
改善に時間がかかる
PDCAサイクルは、一連の流れを経て改善を行います。
そのなかでも、評価の継続が大切です。
たとえば、改善の方法がわかった時点でその方法をすぐに実行に移せば、その問題はすぐに解決する可能性があります。
しかしながら、PDCAサイクルは、必ず評価しその後に改善に取り組むので、業種や業界によっては改善に思いの外時間がかかってしまうのです。
また、現代の事業環境は変化が激しく、PDCAサイクルの時間感覚では実態に追いつかないとも言われています。
PDCAサイクルのフレームワークは現代のビジネスのスピードには適さない可能性があることも踏まえておきましょう。
PDCAを成功させる6つのポイント
企業がPDCAサイクルを成功させるには、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。
ここからは、PDCAをうまく遂行するための6つの要点について解説します。
計画を確実に実行する
計画を確実に実行することが初めの重要な要素です。
目標やその目標に対する計画や戦略を設定したら確実に実行しましょう。
計画通りに実行しないと、計画が良かったのか悪かったのかを確認できません。
後々、評価および分析がしやすいように活動記録を残す 計画通りに進まなかった場合は、その状況や課題が分かるように記録しておく 結果が良かったのか、悪かったのかを客観的に分析して、なぜそのような結果になったのかを振り返る
PDCAを有効に進める鍵は、行動を含む実行の具体的な内容を構築することです。
無理がない計画を組む
2つ目は、無理がない計画を組むことです。
これはPDCAサイクルのすべての過程でいえることです。 計画が曖昧であれば実行すべき内容も不明確になる 根本的な原因が分かっても、実行性の高い改善案に反映出来なければ無駄になってしまう ということです。
それを回避するには、無理がない計画を組むことが大切です。
背伸びをせずに、自分ができる範囲でPDCAを考えましょう。
自分が持っている業務量との兼ね合いを考えることももちろん大切です。
目的や目標を明確にする
もっとも重要なポイントが目的や目標を明確にしておくことです。
取り組む業務の目的や達成すべき目標が明確になっていなければ、そもそも計画が立てられません。
PDCAは目標達成を促進する手法であり、ゴールが明確であればあるほど計画や評価手法も具体的にできます。
たとえば、「顧客満足度の向上」といった目標だと抽象的で、人それぞれ受け止め方に幅があります。
目指すゴールがまちまちでは、行動のレベルにも大きな差が開く可能性があります。
また、計画や評価手法が具体化されれば、必要なリソース配分の精度向上にも役立ちます。
継続的に回し続ける
PDCAサイクルは1回で終わらせることなく、目標が達成するまで何度でも実行することが重要です。
1回のサイクルでは見落とされた問題点が、何度も繰り返すことによって分かる場合もあるのです。
また、やりっ放しや評価しただけで改善しないなどサイクルの途中で止めてしまっては意味がありません。
記録を残す
活動した記録を残さないと、次の検証に繋がりません。
活動記録をしっかり残して検証しやすいように心がけることが大切です。
万一計画通りに事が運ばなければ、どうして上手くいかなかったのかを記録しておきましょう。
後々検証する際に、記録がないと曖昧のまま振り返ることになり、効果が出づらくなります。
近年ではITツールにより、自動的に記録されたり、簡単にログが残せるようなしくみがさまざまあるので活用しましょう。
たとえば、毎日の仕事の進め方を改善したいのであれば、仕事のログを簡単に取れるあぷりがあります。また、お金の使い方を改善したいのであれば、マネーフォワードなどを活用すれば自動連携して、記録を簡単に確認可能です。
PDCAの使い方は? どんな場面で使うのか具体例も解説
PDCAは、もともと製造業の事業活動において、生産管理や品質管理などの管理業務を計画どおりに、円滑にすすめるための管理サイクル、マネジメントサイクルの一つでした。
現在では、IT企業などを始めとする色々な業種の企業に導入されているフレームワークです。
PDCAの使い方
使い方はシンプルでPDCAサイクルの工程をそれぞれ実行していくだけ。しかし、シンプルで簡単なフレームワークゆえに奥が深く実行するのがとても困難です。
特に、計画を立てて実行することや点検・評価を重ねて改善するという流れを作ることができずにPDCAのCAの部分を行わずにPDだけになってしまう企業が多く存在します。
PDCAサイクルを導入している有名企業を例としてあげると下記の企業があります。
PDCAサイクルを導入している企業の一例
1.無印良品
2.ソフトバンク
3.ヤフー
4.リクルート
5.トヨタ
例えば、衣服、生活雑貨、食品という幅広い品ぞろえからなる品質の良い商品を提供している企業、無印良品はPDCAを導入したことで今の成功があるともいわれています。
事実、無印が実行したPDCAは書籍化されるほど、有名なものになっています。
実行100%の組織をつくる最強のサイクルであるPDCAを実行することで、かつてのどん底からのV字回復や、現在の常勝経営を支える仕組みづくりを支える強力なツールとなりました。
PDCAサイクルが古いとされる理由
近年では「PDCAサイクルは古い。現在のビジネス環境には使えない」といった声も聞かれます。
なぜこのような意見が聞かれるようになったのか、その理由を考えてみます。
スピード感が時代に合わなくなってきている
PDCAサイクルが古いといわれる最も大きな理由は、改善までに時間がかかるという点です。
PDCAサイクルは、特性上、計画から改善までひと通りサイクルを回さなければなりません。
しかし、ITが進化した現代において状況は凄まじい速さで変化します。
PDCAサイクルは計画の中断はできないので、状況が変わっても、すぐに対応するのは不可能です。
PDCAサイクルをさらに進める際には、施策の評価やチェックが必要なのも時間がかかる理由の一つです。
評価やチェックを行っているそばから状況が変わるケースは決して少なくありません。
高速で変化する現代の社会のスピードにPDCAサイクルではついていけないケースも存在するのです。
特に、スピード感を重視する業界・業種ではPDCAサイクルでは対応しにくくなっています
革新的なアイデアがなかなか出ない
PDCAサイクルでは、前例であったり過去の状態をもとにして改善策を考えます。
そのため、枠組みやルールにとらわれない革新的なアイデアの創出は苦手です。
グローバル化が進む現代では、従来のやり方では通用しない場面は数々あります。
その際に必要になるのは、従来とは異なる視点の打開策です。
その点、PDCAサイクルを進める際に前例を参考にする方法では、外部環境による困難を乗り越えることが現実的に難しいことがあります。
PDCAに似た手法「OODA」とは?
変化の激しい市場および顧客ニーズに対応するため、いま注目されているのがOODAというフレームワークです。
アクションを実行し、業務を改善する点はPDCAと共通していますが、大きな違いもあります。
OODAとは、Observe(観察)・Orient(方向づけ)・Decide(判断)Action(行動)のそれぞれの頭文字をとった言葉です。PDCAと同じく、業務改善や高い成果を導くためのフレームワークです。
OODAは1970年代にアメリカ空軍のジョン・ボイド大佐により空中戦戦術という概念が提唱されました。
ボイド大佐の朝鮮戦争の経験をもとに相手の状況を観察し、即戦術を考え、判断して行動に移す戦術理論を考案したと言われています。
OODAの一番の特徴は「意思決定を早く行える」点です。実際の戦場ではPDCAのようにじっくり検討する時間などありません。その都度迅速の判断を求められます。このことは変化の激しい現代のビジネスシーンにとっても同様です。
競合企業の動きや顧客のニーズの変化を素早く察知し、素早い判断と行動力がなければ市場で生き残れません。
そのため、近年ビジネスシーンにおいてもOODAが活用されています。
OODAループとは?
OODAの特徴としては、
一度だけの実行ではなく、ループしながら調整機能を働かせて、何度も素早く繰り返す 何度も繰り返す中で、相手を圧倒し、自分にとって優位な立場を獲得する
OODAループのポイントは、ポイントは、前回の行動の結果が次のサイクルで観察され、反映されることです。
PDCAのような計画および評価、振り返りなどがないので迅速な行動が可能です。
外部環境の変化が激しく、すぐに的確な意思決定が必要な場面では、OODAループが有効です。
OODAループのプロセスは以下の4つです。
Observe(観察)
とにかく相手を観察し、チームや自社内外の情報を収集し現状を把握します。
自ら立案した計画に固執せずに、相手を観察して出方を窺いましょう。
意思決定者自ら観察を行うことで外部状況に関する生きたデータが収集できます。 業界の環境、新技術、競合といった調査を行います。
Orient(状況判断・方向付け)
現時点で現実に何が起きているのかという現状の把握、理解に意識を集中し、集めたデータが何を意味するのか深く思考を巡らせてください。
その上で、データの本質を理解し、状況判断を行いましょう。
前段のObserveで収集した生きたデータを価値判断の材料として価値ある情報に変換していくのです。
Decide(決断)
価値判断の材料ともいえる情報をもとに決断します。
最善の対処法を見極め、本質を理解した現状や状況に対して具体的な作戦や手段といった実行計画を決断します。
Act(行動)
前項で決断した内容に従って実行します。
OODAループのポイントはこの最後のActの結果が次のループ時のObserveで反映される点です。
まとめ
PDCAについて解説していきました。
どのようなサイクルなのかを理解していただけたかと思います。PDCAサイクルを組み込んで、業務効率を最大化していきましょう。
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