DXとは?定義や必要性、ビジネスにおける進め方をわかりやすく解説

テレビなどのメディアでDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にする機会が増えました。

DXという言葉が誕生したのは、2004年のことと言われています。近年、さまざまな業種や分野でDXへの取り組みが行われています。日本でも経済産業省が推奨しており、DXへの注目が集まっているようです。

このように今後日本でもさまざまな変化が起こるのでしょうが、実際それぞれの企業では、DXをどのように進めているのでしょうか?実際、ビジネスの現場では普通に使われていますが、正確な意味を捉えるのが難しいのがDXです。

そこで今回はDXとは何か、定義や必要性をまず確認し、ビジネスにおける進め方を分かりやすく解説します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DXとは、企業の将来的な成長や競争力強化のために、新たなデジタル技術を使って新しいビジネス・モデルを創出や既存ビジネスの柔軟な改変をすることです。

AIやICT技術の進化や新型コロナウイルス、ロシアのウクライナ侵攻、働き方や価値観の多様化など社会情が激しく変化するなかで、企業が競争力を磨き生き残るために必要とされています。

DXにおける本来の意味と定義

DXにおける本来の意味はビジネスに限らず人々の生活全般に関するもので、2004年にスウェーデンのウメオ大学教授のエリック・ストルターマン氏が主張した概念です。

同氏は「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させる」と述べています。

日本では、2018年に経済産業省が「DXレポート」を発表したのをきっかけに広まりました。DXの定義は以下のとおりです。

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

引用:DXレポート

ポイントは、第3のプラットフォームを利用して、新しいビジネスモデルをつくること。その結果、企業価値を向上させ競争力をつけることにあります。

DXは単純な変革ではなく、今までの価値観や枠組みを根本から覆すような大きな変化を社会にもたらすことなのです。

DXとIT化の違い

IT化とは「ITやデジタル技術を利用して、業務を効率化すること」です。 

例えば、注文・会計システムを導入して紙の伝票と電卓で集計していた売上管理を自動化するなどがあります。

一方、DXとは経営変革そのものです。単に技術やツールを導入すること自体ではなく、顧客視点で新たな価値を創出していくために、ビジネスモデルや企業文化の変革に取り組むことを指します。

例えば、経済産業省が紹介している老舗飲食店の事例では、手切りの食券と手書きの記帳、そろばんの計算で毎日の売上管理をしている状況から地道な情報集めをとおして90%以上の精度を誇る来客数のAI予測ツールを開発し「世界一IT化された食堂」と呼ばれるまでになりました。

参考:経済産業省 中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引き2.1

 DXへの取り組み内容による分類

DXへの取り組みは、デジタルを活用して新しいビジネスの創出や売上・利益の増加など異形の成長を目指すものです。デジタル化がどの程度進んでいるかは、以下の4段階に分けられます。

段階

内容

取り組み例

①未着手

(アナログ)

・電話や紙を使用するアナログ業務が中心。

・デジタル化が図られていない状態。

・出勤簿への判子の押印で勤怠管理を行う。

・FAXや電話のみで受発注をで行う。

②デジタイゼーション

・デジタル技術の活用により業務効率化・業務標準化が実現し、事務負担の軽減やコスト削減の効果が少しずつ発生している状態。

・FAXで行っていた顧客との連絡を電子メールに切り替える。

③デジタライゼーション

・インフラやデジタルツールの活用によって業務効率化、コスト削減を行う。

・データの活用によって業務改善を実現する。

・在庫情報管理システムによって発注量・在庫量を管理する。

・顧客管理システムを活用して営業活動の効率化を促進する。

④DXの実現

・デジタル化によってビジネスモデルの変革や競争力強化を行う。

・データ活用によって販路拡大や新商品開発を行う。

・蓄積されたデータを活用した販路拡大や新商品の開発によって企業の付加価値を向上させる。

参考:経済産業省 DX支援ガイダンス

DXレポートにおけるDXトレンドの変化

DXレポートは、過去に4回発表されており混乱する方もいるでしょう。

ここでは、各DXレポートで述べられている内容について解説します。

①DXレポート(2018年):「2025年の崖」を克服するには

2018年に発表されたDXレポートでは、「2025年の崖」ついて触れています。

2025年の崖とは、DXの取り組みが進まなかった場合、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が発生する可能性を指摘した言葉です。DXが実現しない原因として以下の3つをあげています。

  • 事業部門ごとに構築されていることによる全社的なデータ活用の難しさ
  • 既存システムの複雑なカスタマイズによる複雑化、ブラックボックス化
  • DXによる経営改革そのものへの現場サイドの抵抗

DXが進まない原因は、ITシステムがさまざまな理由でレガシーシステムに変化していることにあります。

新たなデジタル技術を活用し、データをフル活用するためには既存システムの見直しが欠かせません。

 ②DXレポート2(2020年):DX=企業が抱えるレガシー文化からの脱却 

2020年に発表されたDXレポート2では、企業が抱えるレガシー文化からの脱却について触れています。

レガシー文化とは押印、客先への常駐、対面販売などこれまでどおりの企業文化、決済プロセス、商習慣のことです。

2018年のDXレポートが発表後も、DXが進まないなかコロナに直面したことで、企業文化を変革せざるを得ない状況になりました。

DX推進の本質であるレガシー企業文化からの脱却をするために、まず企業が取り組むべきアクションとして以下の例をあげています。

業務環境のオンライン化

・テレワークシステムによる執務環境のリモートワーク対応

・オンライン会議システムによる社内外とのコミュニケーションのオンライン化

業務プロセスのデジタル化

・クラウドストレージを用いたペーパレス化

・各種 SaaS を用いた業務のデジタル化

・オンラインバンキングツールの導入

・OCR 製品を用いた紙書類の電子化

・RPA を用いた定型業務の自動化

・営業活動のデジタル化

従業員の安全・健康管理のデジタル化

・活動量計等を用いた現場作業員の安全・健康管理

・人流の可視化による安心・安全かつ効率的な労働環境の整備

・パルス調査ツールを用いた従業員の不調・異常の早期発見

顧客接点のデジタル化

・電子商取引プラットフォームによるECサイトの開設

・チャットボット等による電話応対業務の自動化・オンライン化

③DXレポート2.1(2021年):ユーザー企業とベンダーの関係性とジレンマ 

2021年に発表されたDXレポート2.1では、ユーザー企業とベンダー企業の依存関係に触れています。

ユーザー企業は委託によってコストの削減を実現し、ベンダー企業にとってもリスクを抑えながら長期的に安定したビジネスを享受できるため、双方にメリットがあるように思われます。

しかし、両者はデジタル産業で新しい価値を生み出せるような能力を獲得する機会を失い、共倒れの危機にあるのです。

デジタル産業を構成する企業を目指すためには、自社の事業能力をデジタル化し、価値創出に活用する過程で他社や顧客とつながることが必要と示しています。

 ④DXレポート2.2(2022年):デジタル産業になるための方向性とアクション 

2022年に発表されたDXレポート2.2では、デジタル産業になるための方向性とアクションを以下のように提示しています。

  • デジタルを、効率化や省力化ではなく収益向上に活用すること
  • DX推進するために経営者はビジョンの他に具体的な「行動指針」を示すこと
  • 企業1社でのDXは難しいため、価値観を発信するとともに同じ価値観をもつ同志と新たな関係を構築すること

個々の会社だけでDXを目指すのではなく、産業全体の改革が必要だとしています。

DXの推進に向けた日本企業における現状と課題

DX推進の重要性は年々高まっていますが、一方で数多くの企業がDX推進に立ちはだかる課題に悩んでいます。 ここでは、DX推進に向けた日本企業における現状と課題を解説します。

企業規模別、産業別、地域別のDX取り組み状況

企業規模や産業の種類、地域によるDX取り組み状況の特徴は以下のとおりです。

企業規模の違いによる特徴

・大企業の4割以上がDXに取り組んでいるのに対して、中小企業では1割程度しか行われていない。

・売上規模が大きい企業ほどDXに取り組む割合が高くなる傾向にある。

産業の種類による特徴

全産業平均が2割以上なのに対し「情報通信業」「金融業・保険業」では、DXに取り組んでいる企業の割合が5割程度と高い。

・農業・漁業など【第一産業群】では20%未満

・建築・製造業など【第二産業群】では20%~30%

・情報通信業・ 電気ガス水道業【第三産業群】では30%以上

地域の違いによる特徴

・東京23区に本社がある企業の4割程度がDXに取り組んでいる。

・政令指定都市、中核市、その他市町村と規模が小さくなるにつれて、その割合が低くなっている。

・地方都市の中小企業は、DXへの期待として商圏の拡大をあげている企業が5.4%なのに対し、東京都の中小企業では21.3%と地域によって差がある。

課題①DX人材の確保

DX白書2023の調査によると2022年と2023年の両方で、DXを推進する人材の量と質の不足を感じている日本企業の割合は、8割を超えています。

DXを実現するために必要なIT人材が不足している現状では、 システムの内製化が進められずシステム開発をする場合にはIT企業へ外注してるのです。

内製化ができないと、新しいアイデアが生まれても即反映という訳にはいきません。 DXの推進や新サービスの市場投入を迅速に行うためのIT人材を確保するためには、人材や組織の育成が重要です。

課題②既存システムの老朽化

現実に老朽化したITシステムを使用し続けている企業は数多く存在します。 このような既存の古いシステムが足枷になり、デジタルトランスフォーメーションが思うように進まない例も聞かれます。

老朽化や複雑化・ブラックボックスと化したシステムの運用や保守に多額のコストがかかってしまっており、DXを推し進めるための予算が十分に確保できないケースなどです。 このような課題がある企業は、既存システムの刷新から取り組まなければなりません。

課題③変化する消費者ニーズへの対応

近年では、モノ消費からコト消費へと移行し始めていると言われています。 消費者は、お金を払ってモノを所有するよりも、そのときにしか体験できないことや楽しい体験でしか得られないことを重要視するようになりました。

企業は、このような時代のニーズに合わせたビジネスを提供するためにシステムや業務などの組織全体を変革していかなければなりません。 市場の変化から取り残されないようにサービスを刷新し続けることが求められています。

課題④生産性の向上

DXを推進する理由として、レガシーシステムからの脱却も挙げられます。 レガシーシステムとは前項にも出てきましたが、複雑化や老朽化・ブラックボックスと化してしまった従来のシステムです。

このようなレガシーシステムを放置すると、無駄な運営コストや人件費、システムトラブルなどが発生し、生産性が低下してしまいます。 そのような事態を避けるためにも、なるべく早くデジタルトランスフォーメーションを推進し、レガシーシステムから脱却を図り、 生産性を高める必要があります。

DXの進め方

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、現代企業にとって不可欠な戦略です。その進め方には、複数の重要なステップがあります。

まず、①現状を把握し、②課題を整理し、明確なゴールを定めます。その後、③社内での合意形成を図り、必要なリソースを確保し、組織改革を行います。そして、⑤デジタルツールを活用して業務を効率化し、⑥データを活用して意思決定を裏付けます。また、⑦デジタル化を通じてビジネスモデルを革新し、市場競争力を高めます。最後に、⑧PDCAサイクルを定期的に実行し、長期的な成果を確保します。

これらのステップを組み合わせて、DXを成功させるための道筋を築きます。以下に具体的な手順を紹介します。

①現状を把握する

DXを進める準備が整ったら、現状をより正確に把握することが大切です。 全社または事業部門などの現状の把握と課題抽出を行います。 自社で抱えている問題点や、刷新すべきレガシーシステムは特に注意してピックアップすることが大切です。

例を挙げると、自社内にレガシーシステムはないか、それがいくつあるか、そのことによってどのような問題が発生しているのかなどを把握できるのが望ましいです。 現状が把握できたら、どの部分をどのように変革すべきかを考えましょう。

②現状の課題を整理し実現したいゴールを明確にする

DXを進めるために一番大切なことは、DXを何のために進めるのかというゴールを明確にすることです。

DXは何らかの目的の達成や現状の課題を解決するために推進されるべき方法ですが、ゴールを見失うとDX自体が手段目的化してしまいます。 まずは、現状の課題を整理し、明確にしたゴールに向かってどのように進めていくのが適切なのかを考える意識づけをしましょう。

③社内的な合意形成

DXは、個人で推進を実行できるものではありません。 組織全体で取り組むものです。 また、DXにより組織全体を巻き込むようなDX導入に関しては、まとまった費用も掛かるので、導入の際には経営陣など組織責任者の同意を得なければなりません。

万一、同意が得られないという事態になると、残念ながら組織を挙げた大規模な変革の推進は困難と言わざるを得ません。 同意を得られれば経営トップから全体へ定めたゴールを共有します。

④リソース確保と組織改革

進むべき道筋がはっきりしたら、達成するための体制を整えねばなりません。 大きな改革を実行するためには、大がかりな組織体制を作り支えることが必要です。 DX人材の確保や育成をはじめ、PDCAを回して仮説を検証することも必要です。

多くの企業でDX人材が不足している今日、人材を確保するためにはコストがかかることを想定しておきましょう。 場合によっては、社外リソースの活用や他社サービスの利用も検討してみましょう。

⑤デジタルを活用した業務効率化

DX推進の体制が整ったら。現場に近い細かな業務のデジタル化を進めましょう。

一般的には、従来の業務の中であっても、細かな業務であれば、大きな反対意見も出ることなく、社員の抵抗も少ないため円滑に進められるとされています。 例えば、会議のペーパーレス化やルール設定、ハンコ使用の承認の廃止などがあります。

⑥データ活用の推進

細かな業務をデジタル化したら、次に組織全体やプロセスをデジタル化します。

Web上のアプリであったりクラウドサービスを導入し、業務におけるデジタル化を進めれば、業務の効率化やコストの削減につながります。 決済の承認や勤怠管理・経理処理などのフローをデジタル化したり、ビジネスチャットでデータのやり取りを行うようにしましょう。

また、これらのデジタル化を進めることによってDX推進の基盤ができます。

⑦デジタル化でビジネスモデルを変革する

ビジネスモデルや事業の転換は、組織体制や収益計画の本質的な変革を意味します。 ビジネスモデルにデジタルを導入する場合は、DXの導入で当初の目的が達成できているかの確認が必要になります。 組織体制の変革および収益の枠組みなどを考慮し、さらに効率の良いビジネスモデルを検討していくことが重要です。

DXの最終的なゴールが大規模な変革である場合は、社内業務のDX推進が完了したら、すぐに着手するようにしましょう。

⑧定期的にPDCAを長期で実行する

DX推進のゴールを無事実現できたとしても、そこで終了とせずに、常に変化する社会情勢に合わせ変革を続けなければなりません。

経済産業省が、DX推進指標を策定しているので定期的に照らし合わせながら見直す機会を設けましょう。 そして常にその時々の現状を確認し、効果が出ているかを評価するとともに改善し続けることを実行しDXを推進していきましょう。

 DX推進のポイントとなるアジャイルマインドとは

DX推進に欠かせない要素のひとつがアジャイルマインドです。

アジャイルマインドとは従来のような、先に決めたゴールに向かって論理的な解決を目指す方法ではありません。継続的な価値を創るために、以下の7つを実践できるマインドです。

  1. 現状を観察する
  2. 問題を見つける
  3. 問題に対して、仮説を立てる
  4. 関係者と協力しながら実際に試す
  5. 試した結果、得られた結果を検証する
  6. 検証結果を元に問題や仮説の見直しを行う

上記の手順でアジャイルマインドを実践するためには、失敗を恐れないことが大切です。

新しい価値を創出するには、不確実性の高い業務の割合が増えることが想定されるため、アジャイルマインドが必要とされています。

参考:IPA独立行政法人情報処理推進機構「DX 実践手引書」

企業のDX推進事例

ここでは、経済産業省のDXセレクション2024に選ばれた企業から以下の6社の事例を紹介します。

  • 山口産業株式会社(製造業)
  • 浜松倉庫株式会社(倉庫業)
  • 株式会社トーシンパートナーズホールディングス(不動産業)
  • 株式会社西原商事ホールディングス(廃棄物処理業)
  • 株式会社高山(DX支援、サイバーセキュリティ対策)
  • 有限会社永井製作所(製造業)

自社でDX推進を考えている方は参考にしてみてください。

山口産業株式会社(製造業)

山口産業株式会社は、佐賀県多久市で東京ドームのような膜構造建築物製造、合成繊維等の製造・販売を行っている従業員138名の会社です。

同社はさまざまな環境の変化にデジタル技術を駆使して適応してきたことをきっかけに、社会情勢の変化に柔軟に対応し、顧客や社会のニーズに応え続ける新たなビジネスモデルを目指しました。

具体的には、『DX人材育成』を社内プロジェクト化したりDX関連の資格取得支援制度や資格習得に応じた人事評価制度を開始。部門責任者によるシステムや運用ルールの共有・実践を行いました。

その結果、5年で40種類以上のシステムやツールを導入し、全部門の工程が円滑に進むようになったことで生産性が大きく向上。ITリテラシーが高まり、DXをさらに進めるプロジェクトへの参加希望者の増加にもつながりました。

浜松倉庫株式会社(倉庫業

浜松倉庫株式会社は、静岡県浜松市で倉庫事業、運送事業、駐車場事業を行っている従業員116名の会社です。同社は、「収益力の強化」「高付加価値サービスの提供」「経営基盤の強化」を目指してDXに取り組みました。

具体的には、「ロボット」「AI」「BIツール」「新チャレンジ」「新倉庫」の推進と研修での人材育成です。他にも各営業所をDX担当者が定期訪問する、DX推進のフォロー体制を構築しました。

その結果、基幹システムWEBサービスi/fツールの導入でデータ入力の業務に費やす時間が1日の80%から5%に短縮されました。

現場では、経験と勘で進捗を判断していたために人員配置に無駄な時間がかかっていましたが、BIツールの導入でリアルタイムに進捗を把握し迅速・適正な人員配置が可能になったのです。

株式会社トーシンパートナーズホールディングス(不動産業)

株式会社トーシンパートナーズホールディングスは、東京都武蔵野市でマンションの企画・開発・販売、不動産売買・仲介、賃貸を行っている従業員44名の会社です。

同社は、持続的に成長できる企業を目指してDXによるデータとデジタル技術の活用が急務と捉え、DXを進めました。

具体的には、DX推進チームを設置し、社内研修など社員のDXスキル向上に向けた施策の実施。AIを活用した早期賃貸付けプロジェクトを始めました。

他にも、RPA導入で成功している企業を訪れインタビューしたり、ノーコードツールを全社展開するために各部署から1名程度選び現場と情報システム部の橋渡し役をつくりました。

その結果、独自アプリの開発やIoT技術との連携などにより顧客サポートの活性化が実現。RPAやノーコードツールの導入により、会社全体で年間約8,800時間の工数削減を達成しています。

株式会社西原商事ホールディングス(廃棄物処理業)

株式会社西原商事ホールディングスは、福岡県北九州市で廃棄物収集運搬、リサイクル、システム開発・提供を行っている従業員28名の会社です。

同社は、廃棄物処理法に基づいて原材料の調達から廃棄まで追跡可能な状態が求められる中、情報の集約化が不可欠でした。そこで、2007年にシステムの自社開発などデジタル化に取り組み始めました。

具体的には、属人業務、部署内・外で重複する作業などの洗い出し。システムやアプリケーションの操作に慣れないドライバーや工場作業員に向けた教育。廃棄物一元管理システム『bee-net』の定着や、廃棄物処理業者向けのアプリケーション『ビートルアシスト』の開発です。

結果として、2023年のうちに『ビートルアシスト』を3社へ導入するなど廃棄物処理業界のデジタル化に貢献。『bee-net』の受注件数は14年間で600事業場(2010年)から7,000事業場(2024年)と11倍に増えています。

株式会社高山(DX支援、サイバーセキュリティ対策)

株式会社高山は、宮城県塩釜市でDX、サイバーセキュリティ支援のオフィスワンストップソリューションを展開する従業員19名の会社です。

同社は、旧態ビジネスの文房具業界の衰退やコロナショックを機にDXに取り組みました。それと同時に今後のデジタル時代を見据え、DXに関するノウハウで他社を支援していく業態へ転換しています。

具体的には、デジタルマーケティング、CRM・SFA・販売管理から生成AIやサイバーセキュリティ対策など徹底したデータ経営を自社で実施。人材育成、IT基盤の構築、運用方法に関する組織変革を行いながらノウハウを蓄積しました。

自社のDXの歩みやノウハウの価値を提供・支援していくモデルに変わったことで、採用応募数が1年で12倍に増え、優秀な人材の採用に成功。人時生産性が毎年120%超で増収増益を実現するだけでなく、支援先企業もDXでの生産性と採用力が向上しました。

有限会社永井製作所(製造業)

有限会社永井製作所は、群馬県邑楽郡邑楽町で金属プレス金型の設計製作を行っている従業員14名の会社です。

同社は、急速な社会情勢の変化や現状では未来が見えない不安からDXへ取り組み、属人的体質の改革と未経験者がデジタルを活用することでのビジネス化を目指しました。

具体的には、DXを進めるチームを設立し、社員全員にデジタル教育と獲得したスキルを業務で活かす機会を創りました。

その結果、未経験者や外国人材など熟練者や職人が不在の生産体制を構築しつつ生産性向上を実現しました。さらに、デジタルで業務が見える化されたことで職場環境が改善。未経験者の育成期間短縮や売上高の増加も達成しています。

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まとめ

DXは、現代の日本企業においては避けられない取り組みです。 DX推進のためには、経営手法や文化の壁を乗り越える必要がありますが、DXに成功すれば業務効率の向上やコスト削減の実現など明るい未来が待っています。

DX人材の不足などの課題を乗り越え、DXを実現させましょう。

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