【成功事例あり】アップセルの具体例やメリット・デメリットを解説!
顧客単価をコストをかけずに伸ばす方法として、既存顧客に対して行うアップセルはよく使われる手法です。
しかし、どのような施策を行えばよいのかわからなかったり、実践しても売上が思ったほど伸びないなどの悩みを抱える方も多いようです。
そこで今回の記事では、アップセルについて解説するとともに具体例や成功事例、メリット・デメリットについて解説します。
INDEX
アップセルとは?
アップセルとは、顧客の求めるものより高い商品やサービスを購入してもらうことで顧客単価を向上させるためのセールス手法です。
新規や既存顧客にアップセルを有効活用して、上位モデルやさらに高額な商品、サービスをリコメンドし、効果的に顧客単価を引き上げることが可能です。
アプローチをする際は、収集した顧客データから属性や購買のパターンを分析し、それにあった接客ができるように準備して臨みましょう。
クロスセルとは?
クロスセルは、購入した商品あるいは購入を検討している商品に対して、他の商品も購入することを提案し、商品の売上個数を増やす販売手法です。
たとえば、パソコンを購入した顧客に対し、マウスや外付けのSSDなどの周辺機器を合わせて提案することなどがこれにあたります。
「一緒に買っておいた方がお得」 「あと1つだけ追加で買っておいてもよいかな」 このように感じてもらえるように、顧客のニーズに合った商品を薦めるのがポイントです。クロスセルもアップセルと同じく、成功すれば顧客単価の向上につながります。
ダウンセルとは?
ダウンセルとは、アップセルとは対照的に、顧客に対してより安価でグレードの低い商品やサービスを提案することを指します。
顧客の活用状況をみて、現在のラインナップが高額あるいは性能が高すぎる場合は、それを理由に解約や不満につながる可能性があります。そのような場合に、適切な商品をすすめ、活用状況に応じた契約変更を提案することで、受け取る価値とのギャップがなくなり、顧客に長期間継続して利用してもらえるのです。
収益をゼロにしないという観点からも重要な施策です。
アップセルの具体例
アップセルは、技術の進展やECサイト・SNSなどが多様化したことを受け、多くの場面で実践されています。
アップセルの具体例を以下に3点挙げますので、参考にしてください。
- パソコン購入を検討している顧客に対して、さらに高額・高性能な商品への変更を薦める
- 飲食店でセットメニューを注文する顧客に、デザートも薦める
- 年会費が無料のクレジットカードの会員に対して、上位グレードの有料のクレジットカードへの移行を薦める。
基本的には、まずは商品やサービスの無料版を利用してもらい敷居を下げたり、複数購入で特典や割引を行うなどが多くみられます。
クロスセルの具体例
クロスセルも身近な場面で多く使われています。
クロスセルの具体例を以下に2点挙げますので参考にしてください。
- ネットショッピングをすると、購入した商品に関連する商品が自動で表示される
- 家電量販店で買い物をすると、購入した家電に関するパーツセットの購入をすすめられる。
このように購入した商品に付随した商品を提案するのがクロスセルです。
アップセルとクロスセルの違い
ここまでに説明した通り、より高価な商品やサービスを薦める手法のアップセルに対し、別の商品やサービスをセットで購入してもらい顧客単価を上げる手法がクロスセルです。
アップセルやクロスセルを実践する目的は、同様で顧客単価を向上させることですが、それぞれを成功させるためには、顧客の情報や趣味嗜好などを正確に把握・分析する必要があります。
押し売りや、不要な商品の販売でないことを理解したうえで取り組みましょう。
アップセルとダウンセルの違い
こちらもすでに説明した通り、ダウンセルは、顧客が購入を検討している商品やサービスに対して、グレードの低いものや安価なものを薦める施策です。
単価を上げるよりも、注文を取ることや売上をゼロにしないことを優先する場合の手法で、
グレードの高いものの購入を薦めるクロスセルとは対照的な施策です。
アップセルだけに固執した営業は失注や顧客との関係悪化につながります。クロスセルやダウンセルをうまく組み合わせた営業が大切です。
アップセルが注目されている背景
アップセルが注目を集めるのは、市場の激化により集客が困難になったことが挙げられます。
新規顧客を得るためには認知に向けた広告の出稿や商品購入につなげるための営業活動などさまざまな施策を打たなければなりません。それには、従業員に負担がかかるでしょうし、コストもかかるはずです。
競合との差別化も難しく、費用対効果も決して高いとは言えません。新規顧客がもたらす同規模な利益を生み出すには、既存顧客の維持に加え単価向上が必須です。
満足度が高くなれば、顧客ロイヤリティの向上につながりますし、客単価の向上に成功すれば企業の売上を伸ばすことができます。
アップセルを行う目的3選
アップセルを行う目的は以下の3点です。
- 顧客あたりの売上単価の向上
- 生涯顧客単価(LTV)の向上
- 業務の効率化
KPIなどを活用しないで大きな効果を得るのは難しいでしょう。それぞれ具体的に解説します。
顧客あたりの売上単価の向上
一つ目の目的は、顧客あたりの売上単価向上の実現です。一方で新規顧客の獲得を試みると商品やサービスの広告などが必要でコストがかかってしまいます。
しかし、既存顧客の客単価を上げることができれば、コストをかけずに売上を伸ばすことができます。そのためには、顧客の興味を自社にとどめて関連商品や、上位商品に関心を持ってもらうことが重要です。顧客の関心を維持したまま、クロスセルやダウンセルと組み合わせることで、ビジネス全体の底上げが可能です。
生涯顧客単価(LTV)の向上
顧客1人の生涯に渡っての売上(LTV)を効率的に上げるのもアップセルの目的です。日本は少子高齢化の影響もあり、市場が縮小傾向で新興企業も乱立しているので、顧客と継続的に良好な関係を保つ必要があります。
アップセルを積み重ね、顧客一人当たりの生涯顧客価値を最大化して売上や占有率を維持する必要があります。
単なる値上げを行えば、顧客が離れることも考えられます。そのために、最適な商品やサービスに切り替えて継続してもらう形が、理想的なアップセルといえます。
業務の効率化
新しいサービスや商品の提供で新規顧客を得て売上の向上を目指す場合、大きな宣伝が必要ですし、開発自体に金銭的および時間的コストがかかります。
しかし、商品を購入してもらっている既存顧客を目標とするアップセルは、すでにある程度の信頼を得られているので大きな宣伝は不要です。そのため、必要となる時間の短縮やコストを下げられるので、業務の効率化になります。自社商品を継続購入してもらう難しさはありますが、手間が減るのはメリットです。
アップセルを行う際のポイント4選
アップセルへの取り組みを成功させるためにポイントは確認しておきましょう。
アップセルを行う際のポイントは以下の4点が挙げられます。
- 顧客情報を収集して正確に分析する
- アップセルに結びつく商品設計を行う
- アップセルを提案するタイミングに気を付ける
- 顧客のロイヤルティを高める施策を実行する
それぞれ詳しく解説します。
顧客情報を収集して正確に分析する
アップセルに成功するためには、顧客が何に悩んでおり、何を欲しているのかを知ることが大切です。調査もしないで購入単価を上げると顧客のニーズとの不一致で顧客が離脱する可能性があります。
顧客の購買履歴やサイト内での行動履歴、セミナーやキャンペーンの反応などを分析して顧客を理解しましょう。
アップセルに結びつく商品設計を行う
アップセルを実践する際は、顧客にとって魅力的な商品・サービスをおすすめすることが重要です。顧客目線でお得感がない、必要とは思えない商品やサービスを紹介した場合、既存顧客の離脱や顧客満足度の低下などの発生します。
アップセルを成功させるには、商品やサービスの価格設定や品質に気を配るのは当然ですが、顧客がコストを払ってでも得られるメリットを提示することがポイントになります。顧客にわかりやすいメリットを提示しましょう。
アップセルを提案するタイミングに気を付ける
アップセルを成功させるポイントは適切なタイミングで提案することです。アップセルであれば、商品の購入を検討している段階で、その商品のデメリットに気づいたときがベストのタイミングです。
その時点であれば、検討中の商品の上位商品であれば、そのデメリットが解消でき、さらにこのようなメリットもあるとアプローチが可能です。ベストなタイミングを判断し、アプローチしましょう。
顧客のロイヤリティを高める施策を実行する
顧客は強引な営業活動には強い抵抗感を感じます。
「このお店は高い商品を買って欲しいだけじゃないの?」と感じさせてしまうと、店舗に対する信頼が根底から崩れ、競合する他店に流れてしまいます。顧客が他店に流れてしまう危険性を回避するためにも「顧客ロイヤリティ」を高めるようにしましょう。
顧客ロイヤリティとは、顧客が商品やサービス企業に愛着を感じている状態です。 顧客ロイヤリティが高ければ、アップセルの提案も受け入れてもらいやすいでしょう。
アップセル戦略のメリット
アップセル戦略には以下のようなメリットがあります。
- 営業効率の向上
- 顧客単価の向上
それぞれについて詳しく解説します。
顧客単価の向上
アップセルの目的の一つに顧客一人あたりの売上単価の向上することがあります。アップセル戦略を実践することで、高品質な商品やサービスを供給できれば、顧客単価は伸びていきます顧客一人が大きな金額を支払ってくれれば、新規顧客の獲得がなくとも企業全体の売上は向上します。
働き手が減る一方の日本で利益率のよい営業方法を展開するのは大切なので、多くの企業がアップセルに取り組むべきです。現代は新規顧客の獲得にコストがかかるので、既存顧客の購入単価を伸ばせるアップセルは非常に有効な戦略であるといえます。
営業効率の向上
アップセル戦略を実践すると営業効率がよくなります。
自社商品の認知度のない新規顧客に商品を紹介し、購入へつなげるのは容易ではありません。アップセルの対象は既存顧客のため、新規顧客開拓時のようなコストはかかりません。すでに自社商品やサービスを購入している顧客であれば、商品の認知を得るステップは不要でマーケティングができます。
顧客側も信頼度が高いので、企業側からの提案も受け入れやすいのです。
アップセル戦略のデメリット
アップセル戦略は、売上を増やし顧客満足度を向上させるための効果的な手法ですが、その一方でいくつかのデメリットも存在します。この記事では、アップセル戦略のデメリットに焦点を当て、その具体的なリスクとともに詳しく探っていきます。
無理な営業活動による失注リスク、顧客に迷いが生まれる可能性、そして企業レビューの低下リスクなど、各項目ごとに詳細を検討し、アップセル戦略の導入に際して注意すべきポイントを明らかにしましょう。
アップセル戦略の成功には、これらのデメリットを適切に管理し、顧客の信頼を損なうことなく戦略を展開することが不可欠です。
無理な営業活動による失注リスク
アップセル戦略のデメリットの1つ目は、「無理な営業活動による失注リスク」です。
アップセル戦略では、既存の顧客に追加商品やサービスを提案することが求められますが、営業担当者が無理な圧力をかけたり、不適切な提案を行ったりすると、逆効果になる可能性があります。
顧客にとっては、自分に本当に必要な商品やサービスを選びたいという意識があります。
しかし、営業担当者が顧客の意思やニーズを無視して、単に売上を追求する姿勢を見せると、顧客は不快感を抱き、関係性が損なわれる恐れがあります。
顧客は強制されるような営業活動に対して警戒心を持ち、その結果として追加商品やサービスの購入を辞退することも考えられます。
無理な営業活動による失注リスクを回避するためには、営業担当者は顧客との信頼関係を築き、顧客のニーズを理解することが重要です。
顧客に寄り添い、適切なタイミングと方法で提案を行うことで、無理な圧力をかけることなく、顧客の関心を引きつけることができます。アップセル戦略の成功には、顧客との信頼と良好なコミュニケーションが欠かせません。
顧客に迷いが生まれる可能性がある
アップセル戦略のデメリットの2つ目は、「顧客に迷いが生まれる可能性がある」という点です。
選択肢が多すぎる場合や明確なメリットが示されない場合、顧客は迷いや混乱を感じることがあります。選択肢が多すぎる場合、顧客は情報の整理や比較に時間と労力を費やし、結果的に迷いや不確実性を感じてしまいます。
また、顧客にとって明確なメリットが示されない場合も、迷いが生まれる要因となります。
顧客は、なぜその追加商品やサービスが必要なのか、どのような価値を提供するのかを理解した上で選択したいと考えます。十分な情報提供や説明がない場合、顧客は選択に迷いを感じ、結果として購買を見送る可能性があります。
顧客に迷いが生まれる可能性を最小限に抑えるためには、選択肢を適切に絞り込み、明確なメリットや付加価値を伝えることが重要です。
顧客が追加商品やサービスを選ぶ際に必要な情報や比較データを提供し、顧客のニーズに合致する理由を説明することで、顧客の迷いを解消し、積極的な購買へと導くことができます。
企業レビューの低下リスク
アップセル戦略のデメリットの3つ目は、「企業レビューの低下リスク」です。
この戦略では、顧客に追加商品やサービスを提案することがありますが、顧客が本来必要としない商品やサービスを購入してしまった場合、その満足度や評価は低下する可能性があります。
顧客は、自分のニーズに合致する商品やサービスを求めています。しかし、アップセル戦略においては、顧客が本来必要としないものを提案される場合があります。
顧客はそれを強制的に購入せざるを得ない場合、購買後の満足度は低くなり、企業への評価も下がる可能性があります。
さらに、顧客の不満や批判は口コミやオンラインのレビューサイトに広がります。
顧客が不満を感じ、その結果として企業への評価が低下すると、他の潜在顧客にも悪影響を与える可能性があります。企業の評判は顧客からの信頼に基づいており、不適切なアップセル戦略によって顧客の信頼を損なうことは、将来的なビジネスにも悪影響を及ぼすことが考えられます。
企業は顧客のニーズを正しく把握し、提案する商品やサービスを慎重に選定する必要があります。
顧客にとって本当に有益な追加商品やサービスを提供することで、顧客満足度と企業レビューの質を維持し、信頼性を高めることが重要です。アップセル戦略を実施する際には、顧客のニーズと満足度を最優先に考え、企業レビューの低下リスクを避けるように努める必要があります。
アップセルを実施する際の注意点・ポイント
アップセル戦略は、売上を増やし顧客満足度を向上させるための効果的な手法ですが、成功には注意が必要です。顧客の信頼を損なうことなく、バランスの取れたアップセルを実施するためには、以下のようないくつかの重要なポイントに留意する必要があります。
- 追加商品やサービスの選定と営業担当者への周知
- 顧客への提案は適切なタイミングで実施(押し売りをしない)
- 定期的なアフターフォロー
顧客との良好な関係を築き、長期的なビジネスの継続を目指すために、以下の点に注意してアップセルを実施しましょう。
営業方針を担当者に浸透させる
アップセルを実施する際の重要な注意点・ポイントの一つは、「営業方針を担当者に浸透させる」ことです。成功するためには、営業担当者が共通の理解と目標を持ち、一貫したアプローチを取る必要があります。
まず、営業方針を明確に定義し、担当者に周知徹底することが重要です。
アップセルの目的や戦略、顧客との関わり方などを明確に伝え、営業担当者が共通の基準で行動できるようにします。これにより、一貫性が生まれ、顧客に対して統一されたメッセージが伝わります。
また、営業担当者に対して適切なトレーニングや教育プログラムを提供することも重要です。
アップセルの技術やスキルを磨くための研修やツールの提供により、営業担当者は自信を持ってアップセルを実施できるようになります。定期的なフォローアップやフィードバックの機会も設けることで、営業担当者の成長とパフォーマンス向上をサポートします。
さらに、営業方針の浸透にはコミュニケーションと情報共有が欠かせません。
営業担当者同士や管理層とのコミュニケーションを活発にし、成功事例やベストプラクティスを共有することで、互いの学びと成果を促進します。営業担当者の意見やフィードバックを受け入れ、営業方針の改善や調整にも柔軟に対応することが重要です。
営業方針の浸透は、組織全体の一体感や共通の目標達成につながります。明確な方針の下で営業担当者が統一行動し、顧客との信頼関係を築きながらアップセルを実施することで、効果的な成果を生み出すことができます。
押し売りをしない
アップセルを実施する際の重要な注意点・ポイントの一つは、「押し売りをしない」ことです。顧客の信頼を損なうことなく、顧客のニーズに合った提案を行うためには、押し売りの手法を避ける必要があります。
- 顧客のニーズを尊重し、適切な提案を行う
顧客の要望や状況に合わせて、追加商品やサービスがどのように役立つのかを丁寧に説明し、顧客が自らの意思で購入する選択をすることを促します。
- 顧客の意見や懸念に耳を傾ける姿勢
顧客が迷いや疑問を抱えている場合には、その不安を解消するための情報や説明を提供し、顧客の納得感を得るよう努めます。顧客の信頼を築くためには、透明性や誠実さが求められます。
アップセルを実施する際には、押し売りの手法を避け、顧客の意思決定の自主性を尊重することが重要です。顧客との信頼関係を構築し、顧客満足度を向上させるために、適切な提案と丁寧な説明を心がけましょう。顧客が納得し、本当に必要とする商品やサービスを選ぶことができるようサポートすることで、長期的なビジネスの成功に繋げることができます。
定期的にアフターフォローを行なう
アップセルを実施する際の重要な注意点・ポイントの一つは、「定期的にアフターフォローを行う」ことです。顧客への追加提案が行われた後も、顧客の満足度を確認し続けることは、関係構築と長期的な成功につながります。
アフターフォローは、顧客との関係を維持し、顧客の声やフィードバックを収集するための重要な手段です。顧客が追加商品やサービスを購入した後、その効果や利用状況について定期的に確認することで、顧客の満足度や課題を把握することができます。
定期的なアフターフォローは、顧客に対するケアと関心の表れでもあります。
顧客が自分が大切にされていると感じることで、企業やブランドに対する信頼感が高まります。また、アフターフォローは顧客とのコミュニケーションの機会でもあり、顧客のニーズや要望を把握し、それに応じたサポートや提案を行うことができます。
さらに、アフターフォローは顧客ロイヤルティの向上にもつながります。
顧客に対する継続的な関心とケアがあることで、顧客は企業やブランドとの長期的な関係を築くことになります。顧客の満足度や忠誠心が高まることで、顧客のリピート購買や口コミによる新規顧客の獲得が期待できます。
アップセルを実施する際には、顧客へのアフターフォローを忘れずに行うことが重要です。顧客との関係を継続し、顧客の満足度を高めるために、定期的な連絡やフィードバックの収集を行いましょう。顧客の声を大切にし、改善や追加提案に活かすことで、顧客との長期的なパートナーシップを築くことができます。
アップセルの成功事例
ここからは、アップセルを効率的に実施している企業の取り組み事例を紹介します。アップセルが実際どのように活用されているのか4つの企業の成功事例をみていきましょう。
Spotify
Spotifyは、さまざまな曲を聴くことができる音楽配信サービスです。無料版と有料版があり、無料版では曲のスキップ回数に制限があります。顧客が制限に達すると有料サービスの紹介をしています。有料版はサブスクリプション型であり、定額を毎月支払う仕組みです。
無料で利用している顧客に対し有料版への誘導をかけ、サブスクリプションで利益を伸ばすようにアップセルを実践しています。現在では有料会員数が1億人を超えています。
Amazon
Amazonは説明するまでもない、さまざまなものが購入できるネットショップです。商品を検索したり注文したりする際に、上位にあたるものが関連商品として表示される仕組みが備わっています。その仕組みによって顧客は数多くの商品を見ることになります。
口コミや性能に関しても概要欄を使って詳細に説明されており、顧客の購買意欲をかき立てやすく、顧客の単価の向上が大きく期待できます。上位商品の紹介はもちろん、安心感まで与えるAmazonはアップセルを活用するのに非常に向いているといえるでしょう。
ヤクルト
ヤクルトはプロ野球球団「東京ヤクルトスワローズ」のことであり、球団の売上向上のためにファンクラブにアップセルを活用しています。クラスごとに呼び名が異なり、ライト会員から上はプラチナ会員まで、5つのクラスに分類されています。
ライトからレギュラー、ゴールドの順に料金およびクラスが上がり会員ごとに料金やサービスが異なります。 クラスの階級が上がると特典がついてくるので多くの顧客がランクアップをしています。
まとめ
アップセルは既存顧客の数を増やさずにLTVを向上させ、企業の業績を伸ばすのに効果的です。アップセルをうまく回すには、顧客の情報を常に収集、蓄積、分析したうえでベストなタイミングを見極めて働きかけることが大切です。
成功事例はアップセルへの取り組みを把握できるので非常に参考になります。競合他社との争いは激しさを増すばかりですが、生き残りをかけて活用事例を参考にしてアップセルへの取り組みを強化しましょう。
最新のEC・CRM事例やノウハウ、事業者対談セミナー・記事などマーケティングに役立つ情報をお届けします。